住宅用太陽光発電において、ソーラーパネル5kwを設置すると実際にどうなるのか。
発電量、売電金額、節電金額、設置費用、維持費用など、シミュレーション開発者がすべてお答えします!
太陽光発電(ソーラーパネル)5kWの結果
合計100万円以上の利益が目指せる
早速ですが、結果からご紹介します。
設備容量(パネル容量)5kWの太陽光発電の25年間の収支は、平均的な価格のプランなら+53万円、コスパに優れたプランの場合なら+128万円です。
平均的なプラン※1 | コスパ良プラン※2 | |
設置費用 | 159万円 | 100万円 |
維持費用 | 32万円 | |
年間発電量 | 5,274kWh | 5,655kWh |
節電収入 | 110万円 | 110万円 |
売電収入 | 136万円 | 150万円 |
収支(利益額) | +55万円 | +128万円 |
平均的なプランでも50万円お得に、コスパに優れたプランならその倍以上お得になることがわかります!
計算条件
※1 平均的なプランとは
平均的なプランとは、経済産業省の2020年の太陽光発電想定設置費用と、日本産業規格(JIS)に記載の推奨効率等を用いた場合の太陽光発電です。
※2 コスパ良のプランとは
コスパ良のプランとは、20万円/kWを切るような価格、かつ基本設計係数の高いシステムを用いている会社のプランです。
※その他の計算条件
- 設置場所:横浜(既築)
- 屋根の向き:南向き
- 傾斜角:30度
- 1か月の電気代:1.2万(東京電力スタンダードS・50A)
太陽光発電(ソーラーパネル) 5kWの結果内訳
設置費用
5kWのソーラーパネル容量では、平均的な販売店で契約した場合、150万円ほど設置費用がかかります。
対して、コスパが良いプランで選べば、100万円以下で設置が可能です。
また、平均よりも高い値段のパネルや販売店を使うと、200万円近くかかってしまうこともあるでしょう。
平均的なプラン | コスパ良プラン | |
パネル費用 | 94万円 | 59万円 |
パワコン費用 | 22万円 | 13万円 |
工事費用 | 31万円 | 20万円 |
その他の費用 | 12万円 | 8万円 |
設置費用合計 | 159万円 | 100万円 |
また、設置する屋根が瓦屋根の場合などは注意が必要です。
一般的に、瓦屋根の場合は工事費用が高くなってしまいます。そのため、先ほどの設置費用よりも価格が上がってしまうことが予測できます。
維持費用
維持費用は、5kWの場合には、30万円と少しを見積もっておけばいいでしょう。
維持費用は、コスパが良いプランの場合でも、平均的なプランの場合でも変わりません。
維持費用の1つ目が、パネルの点検・メンテナンスです。
パネルの点検は、4年に1回が推奨されています。「私たちのパネルはメンテンナンスフリーです」と言っている会社があるかもしれませんが、太陽光発電協会でも、経済産業省においても、メンテナンスは推奨されています。
そして、一番大きい維持費用は、パワコンの交換費用です。
ソーラーパネルの寿命は25年~30年もしくはそれ以上ありますが、パワコンの交換頻度は20年に一回とされています。
そして、一回あたり20万円ほど、将来においては価格の低下が期待されるので15万円ほどは見積もっておきましょう。
平均的なプラン | コスパ良プラン | |
点検費用(6回) | 17万円 | |
パワコン費用 | 15万円 | |
設置費用合計 | 32万円 |
発電量
5kWの太陽光発電の場合、年間で5,000kWh以上の発電量が期待できます。これは、月の電気料金が1.2万円の人のが年間に使用する電力量の4,632kWhを超える数値です。
すなわち、太陽光発電5kWで、自分が使う分以上に発電ができることになります!
平均的なプラン | コスパ良プラン | |
基本設計係数 | 0.76 | 0.81 |
年間発電量 | 5,274kWh | 5,655kWh |
年間電力使用量 | 4,632kWh |
「平均的なプラン」と「コスパが良いプラン」で発電量が違うのは、太陽光発電システムの「基本設計係数」が異なるからです。
基本設計係数は、エネルギーの損失割合で決まる数値です。パワコンのエネルギー効率などが影響します。
もう一つ、実際の発電量は、設置する場所や、設置する屋根の傾斜角・方位角などによって変わります。それは、日射量が異なるからです。
5kWのパネルの場合に、方位角と傾斜角を動かしてみて、どれくらい発電量が変わるか試してみましょう。
方位角を変えた場合
方位角とは、屋根面が、真南を0度としてどの方角を向いているかを表します。
方位角を0度~90度まで変えた場合、どのようになるでしょうか。
以下は、コスパ良プランの場合の結果です。
方位角 | 発電量 | 真南からの減少率 |
0度 | 5,655kWh | |
15度 | 5,627kWh | – 0.5% |
30度 | 5,529kWh | – 2.2% |
45度 | 5,383kWh | – 4.8% |
60度 | 5,188kWh | – 8.3% |
75度 | 4,953kWh | – 12.4% |
90度 | 4,697kWh | – 16.9% |
屋根の面が東や西を向いている場合、発電量は約17%下がってしまいます。もしも、あなたの家の屋根が南を向いていない場合は、この減少率を考えておきましょう。
傾斜角を変えた場合
傾斜角とは、水平面に対して屋根がどれだけ傾いているかを表します。先ほどの結果の傾斜角は、よくある屋根と同じで30度にしていました。
傾斜角を0度~60度まで変えた場合、どのようになるでしょうか。
以下は、コスパ良プランの結果です。
傾斜角 | 発電量 | 30度からの減少率 |
0度 | 5,027kWh | – 11.1% |
10度 | 5,340kWh | – 5.6% |
20度 | 5,559kWh | – 1.7% |
30度 | 5,655kWh | |
40度 | 5,627kWh | – 0.5 % |
50度 | 5,482kWh | – 3.1% |
60度 | 5,214kWh | – 7.8% |
(90度) | 3,816kWh | – 32.5% |
先ほどの方位角と比べると、減少幅は少ないようです。
ちなみに、もしも壁に太陽光発電を設置した場合(傾斜角90度)、それでも3,800kWhも発電できることがわかります。
30度の時の比較すると30%以上減っていますが、それでも発電量がある程度あるため、「壁に太陽光」を国としても考えているそうです。
この記事は、「【連載企画】太陽光発電が得か損か、シミュレーション開発者が全て解説します」の一部です。今回は、太陽光発電の最も重要なポイントである、発電量に関する記事になります。太陽光発電の発電量に関しての記事はたくさんあります[…]
節電収入・売電収入
節電収入は、平均的なプランで109万円、コスパ良プランで110万円です。売電収入は、平均的なプランで137万円、コスパ良プランで150万円です。
平均的なプラン | コスパ良プラン | |
自家消費率 | 26% | 24% |
毎月の節電収入 | 3,635円 | 3,663円 |
毎月の売電収入(FIT期間) | 6,634円 | 7,287円 |
合計節電収入 | 110万円 | 110万円 |
合計売電収入 | 136万円 | 150万円 |
合計収入 | 246万円 | 260万円 |
平均的なプランのほうが、発電量が少なく、自家消費率は高くなります。昼間の電気代は、どちらのプランでも多くをまかなううことができるので、節電収入はそこまでかわりません。
その代わり、発電量の差により、売電収入が大きく変わります。
どちらのプランも、自家消費率は25%程になっていますので、太陽光発電全体よりは低い値になっています。
月の電気代が2万円のとき(自家消費量UP)
自家消費量が上がる場合の節電収入・売電収入を見てみましょう。
東京電力で電気代(税込み)が2万円のかた、もしくは電力使用量がそれに準ずる方の場合です。
平均的なプラン | コスパ良プラン | |
自家消費率 | 42% | 39% |
毎月の節電収入 | 6,141円 | 6,165円 |
毎月の売電収入(FIT期間) | 5,000円 | 5,647円 |
合計節電収入 | 184万円 | 185万円 |
合計売電収入 | 103万円 | 116万円 |
合計収入 | 287万円 | 301万円 |
月の電気代が6千円のとき
続いて、東京電力で電気代(税込み)が6,000円の方、もしくは電力使用量がそれに準ずる方の場合です。
平均的なプラン | コスパ良プラン | |
自家消費率 | 11% | 10% |
毎月の節電収入 | 2,396円 | 2,401円 |
毎月の売電収入(FIT期間) | 8,006円 | 8,665円 |
合計節電収入 | 72万円 | 72万円 |
合計売電収入 | 165万円 | 178万円 |
合計収入 | 237万円 | 250万円 |
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5kWの結果がずれる場合
今回のシミュレーション結果に対して、結果がずれる場合をご説明します。
いい方向にずれる(利益UP)
- 日射量が横浜よりも多い(たとえば甲府の日射量は、横浜より10%以上多い)
- 25年間、いい天気が多い
- さらに費用が安くできた
- 電気の消費量が多い家庭
- 補助金を活用した
悪い方向にずれる(収支down)
- 日射量が横浜より少ない(札幌の日射量は、横浜より5%少ない)
- 25年間、悪い天気が多い
- 費用が思ったより高くなった(瓦屋根の場合など)
- 電気の消費量が少ない家庭
- 屋根の向きや角度がよくない住宅
5kWの結果をもっと知りたい人は見積もりとシミュレーションをしてみよう
5kWの太陽光発電を入れた場合にどうなるかを見てもらいました。やはり重要なのは、太陽光発電の「コスパ」特に初期費用・システム費用は下げるに越したことがありません。
また、今回お話しした内容から、場合によっては結果がずれてしまうこともあり得ます。
ただし、一人一人の正しい情報を入力することで、そのずれはかなり小さくすることが可能です。そして、そのために必要なことが、細かいシミュレーションとお見積りです。
注意点としては、太陽光発電を検討する際は必ず複数社から見積もりを取ることです。
そして、太陽光発電は、一括見積サイトにて複数社見積りをとって検討することが最も早く、やり取りも難しいものではありません。
数ある一括見積サイトの中でも、最低限トップ3であるソーラーパートナーズ【住宅用】、タイナビ、グリエネは全て見積り依頼をしましょう。
販売店の違いだけで数十万円は簡単に変わりますので、手間に対しての価値が非常に高い項目です。
できるだけ多くの情報を仕入れて、素晴らしい太陽光ライフにしましょう!