太陽光発電の10年後|2030年の売電・買取価格を今から把握

  • 2020年5月14日
  • 2020年5月14日
  • 売電

太陽光発電で重要なのは10年経過したあとの売電価格です

fit後の価格が重要

私たちは、太陽光発電で発電した電気を売ることができます。そして、その太陽光発電の売電・買取は、2つの仕組みでなりたっています。

1つ目の仕組みは、固定価格買取制度(FIT)です。国が売電を保証しており、必ず21円/kWhの価格で電気を売ることができます。

しかし、その期間は10年間です。

すなわち、2020年に太陽光発電を始めた人は、必ず2030年にFITが終わってしまいます。

そして、ソーラーパネルの寿命は25年から30年以上。つまり、FITよりも後の期間のほうが長くなる可能性が高いのです。

売る仕組み時期期間売電価格
固定価格買取制度(FIT)2020年~10年21円/kWh
電力会社と相対・自由契約2030年~15年以上???

太陽光発電を始めるときに、FITの価格を気にする人はたくさんいます。しかし、本当に大事なのはそのあと。電力会社との相対・自由契約による売電・買取です。

この売電・買取によって、太陽光発電のお得さが大きく変わるといっても過言ではありません。

2030年の売電価格(買取価格)予想は10円/kWh

売電価格

今から10年後、2030年の売電価格・買取価格は10円/kWhになると予測します。2020年のFIT価格と比較すると、半分以下になるでしょう。

ただし、これはあくまで、みんなの太陽光発電が予測する数値です。

どうしてその数値になったのか、解説していきます。

2020年は8~12円/kWh

2019年買取価格
令和2年度調達価格等に関する意見(経済産業省)より

10年後の売電価格を想定するのにあたり、今現在分かっている売電価格を参考にしましょう。

経済産業省がまとめた情報によると、2019年における買取価格は、中央値が9.3円となっています。また、多くの会社の買取価格は8~12円/kWhに集中しています。

買取価格が10円/kWhを超えるのは、なにかしらの条件(電気を買う会社も同じ会社にするなど)が必要なことが多くなっています。

ただし、条件があること自体は何も不利ではありません。もしもいい販売先があるのなら、その条件に合わせる自由を私たちは持っています。

そもそも太陽光発電を始める人は、買い物(売り物)上手な人が多いと思いますので、こういったグラフがあれば、買取価格が高い会社を選ぶことは容易でしょう。

そのため、11円~12円/kWhが、現時点で選ぶべき買取金額だと考えます。

電力の卸市場は10円/kWh前後

続いて、電力の「卸市場」を見ていきます。

私たちが太陽光発電を始めると、初めて電気を売れるようになります。しかし、今のこの瞬間でも、電気を売ることを生業にしている会社はたくさんあります。そして、そのような会社から電力を買っている会社もたくさんあります。

電気をつくって売っている会社と、電気を買っている会社が、どれくらいの金額で取引しているか。それがわかるのが電気の「卸市場」です。

魚で例えると、漁師と寿司屋の取引と同じですね。私たちも魚を釣れるようになったので、他の人たちがいくらくらいで売っているのかをチェックしようというわけです。

電力卸市場
電力・ガス取引監視等委員会より

2012年から2019年の結果が上のグラフです。

電力が取引されている金額は、およそ5円~20円/kWhとなっています。時期によって大きく価格が違うことがわかりますね。

今後の変動要因

では、太陽光発電で発電した電気をこの市場に投入したとします。

どのような売電金額になるか、その金額を動かす要因を考えてみましょう。そして、その要因は、10年後どうなっているでしょうか?

需要の量は変わらない

まずは、需要の量が多いと、売電価格は上がります。

欲しい人がいればいるだけ、ものの価値は上がるからです。オークションを考えていただければわかりやすいですね。

10年後の電気の需要の量は、今現在とあまり変わらないでしょう。

日本の目標では、節電や省エネを通じて、エネルギーの需要を少なくしようとしています。しかし、電力需要としては、あまり変わらないことが予測されています。

エネルギーミックス
2030年エネルギーミックス実現へ 向けた対応について(経済産業省)

火力発電の値段は変わらない

現在の多くの電力は、化石燃料を使った火力発電によって発電されています。

太陽光発電のライバルともなる火力発電の発電コストを、経済産業省が試算しています。

発電方法2014年2030年
石炭火力12.3 円/kWh12.9 円/kWh
LNG火力13.7 円/kWh
13.4 円/kWh

2030年は、2014年に対してほぼ同じ金額となりそうです。

太陽光発電の供給は増える

太陽光発電を含む再生可能エネルギーの供給量は、今後2030年に向けて伸びることが予測されています。

日本の電源構成
経済産業省より

太陽光発電の発電量が増えるとどうなるか。日本全体として、昼に発電される量が増えることになります。

電気は、「つくる時間」と「使う時間」を変えられないというルールがあります。

リンゴなどの作物であれば、昼にたくさんとれようが、夜にたくさんとれようが、保存しておいて後でまとめて売れます。しかし、電気はそうはいきません。

そのため、相対的に昼の電気の値段は下がることになるでしょう。

例えば今も、夜中の電気は安いことで有名です。作る量に対して使う量が少ないので、発電会社も安く販売するしかないんですね。

そのため、夜に動かす工場が出たり、夜のうちにお湯を沸かしておくエコキュートなどが存在しています。

それと同じ仕組みが働きます。太陽光発電が普及すればするほど、昼の電気は今よりも余り、安くなるでしょう。

蓄電池や水素発電の値段が下がる

電気を「つくる時間」と「使う時間」を変えようという発想が、蓄電池や水素発電です。

これが経済的に合理性をもてば、リンゴを取っておくがごとくエネルギーを取っておくことができます。

2020年現在、蓄電池や水素発電に経済的な合理性はありません。蓄電池に電気を集めて後で使うくらいなら、捨てたほうがましです。

ただし、将来的にこの値段が下がることが期待されており、昼に発電しても、夜に発電しても、あまり変わらなくなるかもしれません。

また、「自家消費」が可能な私たちは、直接ためて自家消費をする選択肢も出てくるでしょう。

環境価値は上がる

太陽光発電で作った電気は、環境に良い電気です。

実はこの「環境にいい」という価値は、取引することができます。

カーボンプライシング・非化石証書など聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

この価値は、「現在はだいぶ低く見積もられている」と一般的に考えられています。

炭素価格
諸外国における炭素税等の導入に関する提言(環境省)より

実際に、IMFにより計算された2010年における環境価値では、「CO2を1トン削減するたびに、約3,500円お金がもらえる」といっています。

つまり、1kWhあたり、およそ1.6円です。

少ないなと思うかもしれませんが、もともとの電気の卸市場は10円/kWhほどでした。つまり、10%以上価値が上がる可能性を秘めているのです。

また、地球温暖化が進めば進むほど、環境価値は高まります。

いいことではないですが、2030年までに今よりも環境価値が低くなることはないでしょう。

発電量は予測できるようになる

太陽光発電の困ることとして、電気がどれくらい発電できるかその時になるかわかりません。

そのため、電気を買うほうにしても、なかなか買いにくい電力になっています。

しかし、2つの理由から、このデメリットが少なくなってきています。

まず一つが、電力の先物市場が活発になってきていること。どれくら発電できるかわからない電力があったとしても、わかる電力でヘッジするのが容易になります。

そして、発電量を正確に予測できるようになること。天気の情報や、傾きなどから、どれくらい発電が可能かを推定するシステムがどんどんと精度よくなっています。

電気の売買市場の成熟度は高まる

最後に、太陽光発電の売買自体が今より活発になるでしょう。

いまは、太陽光発電で自由に売電をしている人はとても少ないです。

なにしろ、2010年以前に太陽光発電を始めた人しか対象でないからです。しかし、5年10年とたつにつれ、FITが終わり自由な売電をする人が激増します。

その結果、もっと市場が活発になり、成熟されていくでしょう。

その結果、無駄がなくなったり、お得な販売先が出てくることが期待されます。

10年後はこうなる

ここまでの話をまとめてみましょう。

項目10年後売電価格への影響
需要の量同じなし
火力発電の値段同じなし
太陽光発電の供給量上がる下がる
蓄電池や水素発電安くなる上がる
環境価値上がる上がる
発電量の予測精度上がる上がる
市場の成熟度上がる上がる

売電価格が上がる要因が多いことがわかります。

ただし、太陽光発電の供給量が増えること。この影響度は、他の影響よりも大きいでしょう。

そのため、現在8円~12円/kWhほどの売電価格は、10年後にはそこまで変わらず、むしろ少し下がり~10円/kWhほどになっていると予測しました。

総収入はこれだけ変わる

10年後以降の売電価格が重要なことはお話しした通りですが、では、10年後の売電価格がいくらかによってどれくらい収入が変わるでしょうか。

5kW太陽光発電、年間発電量5500kWh、自家消費率30%の場合で考えてみましょう。

売電価格売電収入(15年間)値下がり額
15円/kWh86.6万円
10円/kWh57.8万円– 28.9万円
8円/kWh46.2万円– 40.4万円
5円/kWh28.9万円– 57.8万円

売電価格は、数十万円単位で変わることが上の表からわかります。

よく、10年後以降の売電価格を15円/kWhのように高くして、利益額を多く見せてくる業者がいます。

しかし、実際にそんなことが起きるかはわかりません。

もしも10年後以降の売電価格が5円/kWhだとしたら、予想より57万円も損してしまうのです。

そして、一度売ってしまえば販売会社にとっては何も関係がありません。責任をとってはくれないでしょう。

都合のいい営業文句に騙されないようにしてください。

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まずはシミュレーション、あとは10年後に判断しよう

計算

今から太陽光発電を始める人が結局どうすればいいのか。

その答えは、簡単です。

まず、シミュレーションをしてみましょう。

それも、10年後の売電価格を変えながらシミュレーションしてみましょう。

そうすれば、もしも売電価格が高かったらどうなるのか?低かったらどうなるのか?がわかります。

みんなの太陽光発電のProシミュレーションでは、FIT後の売電価格や、その他20個以上の項目を変更することができます。

もちろん無料ですので、まずはお問い合わせください。

そして、もしもお得ということがわかったら。

後は、10年後に任せましょう。今から決める必要はありません。

10年後に蓄電池が安くなっているようなら蓄電池を、そして、売電価格が意外と高いのであれば売電を、その時に選べばいいでしょう。

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