太陽光発電の導入を検討する際、どの販売店から購入したらいいのか迷う方はたくさんいます。
事実として、同じメーカーの太陽光発電システムでも、どの販売店から購入するかで価格が大きく異なります。そのため、販売店選びは非常に重要です。
そんなとき利用する方が多いのが「太陽光発電の一括見積もりサイト」。
しかし、この一括見積もりサイトについて、よく知らない方もいるのではないでしょうか。
- どのようなサイトがあるの?
- 一括見積サイトのメリットデメリットは?
この記事では、そんな太陽光発電の一括見積もりサイトについて、各社の比較とメリット・デメリットについて解説していきます。
太陽光発電における一括見積もりサイト一覧【比較の比較】
一括見積もりサイト比較表
サイト名 | 総登録業者数 | 最大見積 | 認知度 |
タイナビ | 350社以上 | 5社 | ★★★★ |
ソーラーパートナーズ | 280社以上 | 3社 | ★★★★ |
グリエネ | 450社以上 | 5社 | ★★★ |
エコ発 | 不明 | 5社 | ★★ |
サンクル | 不明 | 3社 | ★★ |
太陽光のナコウド | 不明 | 4社 | ★ |
erabu | 不明 | 5社 | ★ |
太陽光発電のプロ | 不明 | 3社 | ★ |
EX | 不明 | 不明 | ★ |
(地方自治体) | 地域による | ★ |
タイナビ
- 登録業者数350社以上
- 見積もり最大5社
- 全国対応
- 登録業者を公開
タイナビは次に説明するソーラーパートナーズと共に双璧をなす、いわば太陽光発電一括見積もりの二大巨頭です。
自宅や屋根の状態と個人情報を入力すると、最大5社の見積もりを同時に依頼することができます。
タイナビ調べではありますが、顧客満足度98%となっており、これまで100万人以上がサービス利用をしています。
ペナルティ制度というものを用意しており、しつこい営業や態度の悪い等のクレームがあった場合はタイナビから警告し、改善が見られなければ登録業者から削除されます。よって時がたつほどそのような業者の数は減っていきます。
また登録業者を公開しており、透明性が高いサイトです。
太陽光関連の情報メディアとしても多くの情報を発信しているため、そもそも太陽光発電の知識が乏しいという方は参考になります。
ソーラーパートナーズ
- 登録業者280社以上
- 見積もり最大3社
- 全国対応
- 自社施工店業者のみを登録
ソーラーパートナーズは太陽光発電についてネットで調べる方なら恐らく一度は必ず目にしているサイトです。
太陽光発電におけるWebメディアとしての関連情報の発信量がかなり豊富です。
最大3社の見積もり依頼ができますが、依頼者との連絡は各社がそれぞれ行うのではなく、ソーラーパートナーズの担当者のみと行うところに特徴があります。
登録業者の審査通過率は9.8%と厳しく、施工実績や自社施工、保有資格などが厳しく見られていますので、安心感を得たいという方に向いています。
一方、登録業者は公開していないおらず、やりとりはソーラーパートナーズのみと行うため、やや不透明な点はあります。
また、価格はタイナビの方がコスト競争力があるという口コミが多いです。
グリエネ
- 登録業者450社以上
- 見積もり最大5社
- 口コミ掲載
- 価格.comで採用
グリエネは全国450社から最大5社の紹介をしてくれます。
見積もり依頼を行う際の入力項目が少なく、負担を感じず見積もり依頼ができます。
すぐさま紹介された各社からバラバラに連絡が来るのではなく、グリエネのカスタマーサポートの完全個別対応により、各状況や要望に合うように厳選された業者を紹介してくれます。
また施行だけでなく、各業者の財務健全性を外部調査機関のデータによりチェックしており、保証やアフターサービスがしっかりなされるかも判断材料としています。
登録業者の公開を行うだけでなく、顧客からの口コミも掲載しているため、透明性は高く、安心して利用できます。
また、「価格.com」の太陽光発電一括見積もりではグリエネが採用されています。
エコ発
- 新しいサイト
- 見積もり最大5社
- 希望メーカーでの見積もりが可能
- 登録業者を公開
エコ発は2013年にできた比較的新しいサイトですが、住宅用だけでなく、産業用太陽光発電や土地付き分譲太陽光発電の見積もりも可能です。
最大5社の見積もりが可能です。
全登録業者数は非公開ですが、地域ごとに登録業者を確認することはでき、業者数も少なくありません。
特徴としては、太陽光発電システムのメーカーごとでの見積もりが可能です。
あらかじめ希望のメーカーが決まっているようであれば、そのメーカーに絞った比較が可能です。
サンクル
- シミュレーションが可能(※注)
- わかりやすい表示項目
- 見積もり最大3社
サンクルは東京電力の子会社である東京電力ベンチャーズ株式会社が運営しており、最大3社の紹介を受けることができます。
特徴はGoogle社と連携したシミュレーションができる点です。経済的なメリットを分かりやすく見ることができます。
一方、シミュレーション結果は公平とは言い切れないところに注意が必要です。
実際、東京都が第三者の視点で提供している「東京屋根台帳」よりも、発電容量を多く見積もっている傾向があります。
また、将来の電気価格を高めに設定したり、計算根拠はそもそも公開していないなど、不明瞭な部分もありますので、参考程度にしておきましょう。
また施行販売店は開示されていないため、ブラックボックスとなっています。
太陽光のナコウド
- 見積もり最大4社
最大4社の一括見積もりが可能です。
登録業者は非公開、選定基準も記載はありませんでした。
不動産系の事業がメインのようです。
erabu
- 見積もり最大5社
- メンテナンスの見積もりが可能
- 登録業者を公開
erabuは最大5社の見積もりを取ることができます。
太陽光発電の導入だけではなく、メンテナンスの見積もりも取ることができます。
登録業者は公開していますが、登録業者一覧を見る限り、他サイトに比べて業者数は少ないです。
太陽光発電プロ
- 見積もり最低3社
- 当日紹介も可能
最低3社の対面見積もりを推奨しています。
最短当日のスピード見積もりも可能です。
一方、サイトとして設置費用相場を40~50万円/kWと記載していたので、実際の相場よりも価格が高い可能性はあります。
EX
対応エリアは全国で対応しています。
入力の項目が少し多い印象でしたが、登録業者等は非公開となっていました。
地方自治体
- 登録業者の選定済み
- 登録業者を公開
- 手間は多い
最後に、地方自治体の太陽光発電に関する情報も参考になるでしょう。
たとえば神奈川県では、「かながわソーラーバンクシステム」で太陽光発電の業者を公開しています。
神奈川県に見積もり依頼をだせば、登録された会社・プランより見積もりをもらうことができます。
ただし、FAXでの対応しか受け付けていないなど、スピード感や手間では劣ってしまいます。
一括見積サイトのメリット・デメリット
手間をかけずに「見積もり」ができる
最大のメリットは、手間がかからないということでしょう。
「見積もり」自体は、見積もりサイトを通さなくても私たち個人で可能です。しかし、1クリックをするだけで、3~5社の見積もりが届くため、手間を省くことができます。
また、もしもインターネットにHPを出していない会社は、私たちで探すのはより大変です。
HPをだしていないような地域密着の会社でも、見積もりサイトに登録をしてくれていたら探し当てることができます。
悪い業者を除いてくれる
太陽光発電は、「初めての買い物」である人がほとんどです。そのため、いい会社と悪い会社の区別がつかない消費者はたくさんいます。
実際に「住宅用太陽光発電の7割近くは損をしてしまう」というデータがあります。
そこで、見積もりサイトが、ある程度の選別をしてくれていることがほとんどです。
損がなくなるかはわかりませんが、「悪徳業者」を除いてくれる安心感があります。
無料
無料であることは、消費者にとっては大きなメリットです。どれだけサービスをうけても、それ自体にお金を払う必要がありません。
もちろん、なぜ無料でできているかを考える必要はありますが、「まずは無料なので試してみる」ができることは大きいでしょう。
見積サイトは、案内所にすぎない
ただし、このような「見積もりサイト」は、太陽光発電そのもののプロではないことに注意する必要があります。
もちろん、素人よりはわかっているとは思いますが、契約をするのはあくまで販売店であり、見積もりサイトは「集客のプロ」です。
そのため、発信する情報なども「集客のための情報」になりがち。実際の太陽光発電業界からすると、あれ?と思うようなことも少なくありません。
あくまで案内所であることは念頭に置いておきましょう。
広告費がかかってしまう
「一括見積サイト」は、消費者は無料で利用ができますが、業者にとっては広告費を払わなければなりません。
もちろん最終的な価格が適正な価格であれば何も問題はなく、適切に営業ができていると言えます。
しかし、広告費をかけた分は最終価格に乗ってくるということは覚えておきましょう。
契約できなかった人の費用は契約した人が負担する
そして、こういった見積もりサイトは、「見積もりがきたら、業者から見積もりサイトへ5千円~1万円紹介料を払う」というものがほとんどです。
上の図のように、「契約できなかった分の費用は、契約できた人の価格で回収する」ということになってしまいます。
そのため、あなたが見積もりサイトを通して契約した場合には、その業者を選ばなかった人(どこの業者とも契約しない人も含む)の費用をあなたが負担することになります。
対して、自社サイトからの集客や紹介では、その見積もり自体で費用は発生しません。
そのため、「契約できなかった人の費用」を誰かに負担してもらう必要はありません。
ただ、訪問営業等の人件費と比べると、微々たるものです。また、自社サイトを運営している企業は、サイトの運営にコストをかけていることになります。
仕組みは覚えておいて損はないですが、最終的には、「トータル価格がいくらか」が重要です。
結局、とりあえず一括見積りしてみた方が早い
太陽光発電で損しないためには初期費用を下げることが重要です。
そして、あれこれ考えるよりも、とりあえず一括見積サイトで見積もりをした方が賢明です。
たとえ、その中の企業から契約しなくても、相場観や自宅の条件を知ることも非常に有用だからです。
また、やり取りも難しいものではありません。
数ある一括見積サイトの中でも、最低限トップ3であるソーラーパートナーズ【住宅用】、タイナビ、グリエネは全て見積り依頼をしましょう!
その中からレスポンスの早い販売店、提案力がありそうな販売店から検討してみるとよいでしょう。
販売店の違いだけで数十万円は簡単に変わりますので、手間に対しての価値が非常に高い項目です。
できるだけ多くの情報を仕入れて、素晴らしい太陽光ライフとなるようにしましょう!