太陽光発電のソーラーパネルは、寿命が20~30年もあります。そのため、一度屋根に設置したからといって、そのままにしていいものでもありません。
「太陽光発電の設置費用の相場と安くする方法」がわかった次は、定期点検、パネルのメンテナンス、機器の交換など、様々な維持費用を知る必要があります。
今回は、これから太陽光発電を始める人、また、そろそろメンテナンスの時期かな?と思っている方へ、費用の相場をご紹介します。
住宅用太陽光発電のメンテナンスは「努力義務」です
改正FIT法が2017年に施工され、メンテナンスについても新しい記述がなされました。
それをもとに、「太陽光発電のメンテナンスは義務です!」と言っているサイトがありますが、それは間違っています。実際には、「努力義務」と呼ばれるものです。
保守点検及び維持管理計画の策定、体制の構築に当たっては、民間団体が定めるガイドライン等(付録参照)を参考にし、当該ガイドライン等で示す内容と同等又はそれ以上の内容により、事業実施体制を構築するように努めること。
事業計画策定ガイドライン(資源エネルギー庁)
事業計画策定ガイドラインの中でも、保守点検や維持管理については、あくまで努力義務としての体裁になっています。
努力義務ですので、たとえメンテナンスをしなくても、罰則をうけることはありません。
その理由の1つは、やはりメンテナンスをする人が実際ほとんどいないからでしょう。令和2年度の調達価格等算定委員会の資料では、メンテナンスについて想定される金額等の記述はあるものの、「実際のメンテナンス費用はほとんど発生していない」旨も記述されています。
しかし、メンテナンスが推奨されているのもまた事実です。発電量の低下を防いだり、火災の原因となる不良を見つけられるかもしれません。
では、どのようなメンテナンスが推奨されていて、金額はどの程度になるでしょうか。
太陽光発電のメンテナンス(点検)費用は、4年に1回2.9万円
メンテナンス(点検)の費用の相場は2.9万円
経済産業省の最新データ、令和2年度の調達価格等に関する意見によると、今年度のメンテナンス費用は、一回あたり2.9万円が相場とされています。
この価格は、実際の現場へのヒアリングを通して算出した値ですので、信頼性があります。
今までは、ずっと2万円ほどとされてきましたが、人件費の高騰などにより、少し値段が上がったようです。点検やメンテナンスを希望される場合には、この費用を参考にするとよいでしょう。
ただし、この価格は5kWの太陽光発電設備の場合なので、それよりも多い容量の方は、多少価格が増えることが予想されます。
このように、太陽光発電のメンテナンス費用はそこそこの金額になります。
そのため、太陽光発電を購入する際には、無料の点検が何回あるかをチェックすることも重要です。
メンテナンス(点検)の頻度は3~4年に1回
定期点検の頻度としては、3~4年に一回が推奨されています。
ただし、実際に太陽光発電の点検をされている方は少ないようで、太陽光発電を導入した方の90%以上は、まだお金を払って点検をしたことがないそうです。
住宅用太陽光発電は、もともと点検が必須ではない機械ですし、点検費用がある程度高いため、このような結果になっていると思われます。
私たちは点検を推奨していますが、「不具合があってから対応する」のも理にかなった方法かもしれません。
メンテナンス(点検)の頼み方
実際にメンテナンスをする際には、以下のような方法をとることをお勧めします。
- 太陽光発電を注文した業者の無料点検を頼む
- 太陽光発電を注文した業者の有料点検を頼む
- O&M業者やPV施工店に頼む
- 自分で点検する
まずは、無料点検を頼みましょう。
無料なので気軽に頼めるはずです。太陽光発電生活で気になることを一緒に聞いてみるのもいいでしょう。
有料であっても、注文した業者にメンテナンスを頼むのが一番安心です。
その時にどのように取り付けたのか、注意点がなんだったのか。話がわかっているため、メンテナンスの精度も上がります。
もしも注文した業者がメンテナンスに対応していない場合は、O&Mを実施している業者や、ソーラーパネルの設置や管理に詳しい業者に頼むのがいいでしょう。
たとえば、太陽光発電協会の、PV施工店技術者のいるPV事業者などが参考になります。
メンテナンス(点検)は、20年で14.5万円かかる
今までの話をまとめると、メンテナンス(点検)をしっかりと推奨されるタイミングで実施した場合、費用は20年間で14.5万円かかります。
ソーラーパネルの寿命はもう少し長い期間ありますので、廃棄までにかかるメンテナンス費用はもっと大きいでしょう。
ソーラーパネルは、毎年10万円以上もの価値を生んでくれますが、このような維持費用もかかるのには注意が必要です。
パワーコンディショナー交換費用の相場は20万円
続いて、もう一つの維持費用をご紹介します。
ソーラーパネルの寿命は25~30年はありますが、その前に寿命が切れるのがパワーコンディショナー(パワコン)。
基本的には値下がりしていくものですが、2020年度の相場は少し上がり20万円とされています。
頻度としては、20年間に1回とされていますので、ソーラーパネルの寿命が来るまでに1回交換をすることになるはずです。そのため、太陽光発電の費用には、あらかじめ20万円ほどを追加しておくようにしましょう。
蓄電池の交換費用もかかる
蓄電池を導入している方は、さらに注意が必要です。
蓄電池の寿命の多くは、10年~15年。
残念ながらソーラーパネルやパワコンよりも早く寿命が来てしまいます。
最も高い買い物である蓄電値が、最も早く寿命が来るとは悔しいですが、おおよそ100万円~150万円ほどが今の相場だとかかるでしょう。
ただし、蓄電池自体の価格は今後低下することが期待されていますので、もう少し出費は少なそうです。
特に蓄電池をいれるか悩んでいる方は、蓄電池の寿命も加味して考えるのがいいでしょう。
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そのシミュレーション、維持費用が入っていますか?
太陽光発電は、初期費用だけではなく維持費用もかかります。
経済産業省の試算では、0.3万円/kW/年。すなわち、5kWの太陽光発電の場合で20年間で30万円、30年間で45万円にもなります。
さらに、蓄電池を導入する場合には、維持費用は+100万円ほどになるでしょう。
しかし、このような維持費用を考えずに太陽光発電を勧める業者がたくさんいます。
その結果、想定とずれて損した結果になり、後悔してしまう人が多いのも事実です。
太陽光発電を発電を始めるまえには、初期費用となるシステム費用だけではなく、維持費用も考えて検討するようにしましょう。
維持費用を含めたシミュレーションができる業者を選ぼう
こんなに重要な維持費用なのに、ほとんどのシミュレーションには、維持費用が入っていません。
なぜなら業者にとってはすぐに収益とならないのに、顧客にとってはマイナスとなる項目だからです。
逆に言えば、このような維持費まで考慮に入れて説明してくれる販売店はある程度信頼がおけます。
太陽光発電を検討するうえで大事なことは複数社見積を取って、そのような信頼のおけて、価格が安い業者を見つけることです。
そして、お得に設置したい場合、一括見積サイトにて複数社見積りをとって検討することが最も早く、やり取りも難しいものではありません。
数ある一括見積サイトの中でも、最低限トップ3であるソーラーパートナーズ【住宅用】、タイナビ、グリエネは全て見積り依頼をしましょう。
販売店の違いだけで数十万円は簡単に変わりますので、手間に対しての価値が非常に高い項目です。
できるだけ多くの情報を仕入れて、素晴らしい太陽光ライフにしましょう!