SDGsウォッシュをしても意味がない理由【SDGsは広告ではない】

2015年9月に国連サミットで採択されたSDGsも広く浸透し、世界での認知度は7割を超えます(日本は5割程度)。

多くの方がSDGs達成に向けた行動を行っている反面、いわゆる「やってるふり」をする企業も増えています。

この記事では、SDGsウォッシュとはそもそも何か、なぜ企業はSDGsウォッシュを行うのか、SDGsウォッシュの見分け方などについて解説していきます。

 
そもそもSDGsってなに?という方は以下の記事をご覧ください
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SDGs

そもそも「SDGsウォッシュ」とは?

そもそも「SDGsウォッシュ」とは?

「SDGウォッシュ」とは、SDGs達成のために取り組んでいるように見せかけて、実態が伴っていないことを表す言葉です。

SDGsウォッシュの基になっている言葉に「greenwash(グリーンウォッシュ)」という言葉があります。

greenwashは環境に良いことを意味する「green」に、白塗りやうわべという意味の「whitewash」という言葉を掛け合わせてできた造語です。

最近では大企業のHPなどにてSDGsについて紹介するものが増えましたが、よくよく中身を見てみるとイメージ戦略として用いられているケースも同時に多くなりました。

SDGsウォッシュかどうかの線引きは難しい

SDGsウォッシュかどうかの判断は多くの方からすると難しいです。

それは部分的にみるとSDGsに向けた取り組みとなっており、社会から良いこととして認識されやすいからです。

例えば、次のような会社があった場合、どう感じるでしょうか。

  • 飲食店にて環境配慮のために地域清掃していることをアピール

この行動自体は素晴らしいことです。

しかし、次のような事実も一方であったとしたらどうでしょう。

  • 毎月仕入れすぎが原因による大量の食品ロスを発生させている

前者と後者とを相殺した場合、後者によって伴う環境負荷のほうが圧倒的に多いのは言うまでもありません。

もっと根本的に見直すべき部分があるのにも関わらず、そこにはあえて手を加えない以上、SDGs達成への道へはなかなか近づけません。

なぜ企業はSDGsウォッシュを行うのか

なぜ企業はSDGsウォッシュを行うのか

エシカル消費の動きと不買運動

ところで、「エシカル」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

「エシカル」とは、人や社会、環境に配慮したうえでの消費行動やライフスタイルのこと指します。

日本語訳では「倫理的な」という意味を持つように、世の中全体にとって良いという視点を個々人の消費活動に反映するものです。

この「エシカル」はSDGsにも深くかかわりがあります。

それはSDGsのような世界全体で解決すべき問題に対して、達成に資する活動をする企業の商品は買われ、逆行する企業は淘汰されていくからです。

例えば、過去にナイキのベトナム工場で児童労働させていたことが発覚したことがあり、その際のナイキ商品不買運動により、アメリカでの売り上げが1年で7割も減少しました。

このようにSDGsに対して逆行するような企業は消費者から支持されず、結果として自社の利益も損なわれてしまうというわけです。

ESG投資などの投資家対策

ESG投資とは、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)など非財務情報も考慮しつつ収益を追求する投資手法 のことで、ESG投資を用いる機関投資家は年々増えています。

日本においても、年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2015年に責任投資原則(PRI)に署名したことで注目を集めました。

このESG投資の中にもさまざまな手法がありますが、最も主要なものが「ネガティブスクリーニング」です。

ネガティブスクリーニングは環境や社会に対して好ましくない活動をする企業は投資から排除する手法のことです。

株価が下がってしまうと、資金調達や人材確保などに支障をきたし、企業としては死活問題です。

このような背景もあり、SDGs活動を打ち出すことで、排除対象のような企業ではないことをアピールするのです。

SGDsウォッシュをやっても意味がない理由

SGDsウォッシュかどうかの見分け方

情報が民主化されている

インターネット黎明期から約30年ほどの年月が過ぎ、近年ではもはやビジネスから日々の暮らしまで
インターネットが欠かせないものとなりました。

あらゆる情報が公開され、個人レベルでその情報にアクセスできることが当たり前となりました。

この情報化社会においては良い情報も悪い情報も明るみになりやすく、その監視員の数は膨大です。

SDGsウィッシュと思われてしまうような活動も同様です。

見せかけの行動は見破られてしまいます。

SDGsウォッシュという言葉が生まれたこと自体が、受け手側の情報に対する意識レベルが向上している証です。

壊れた信頼を取り戻すことは極めて難しい

過去に不祥事を起こしてしまった会社は基本的にその印象がその後も付きまといますよね。

SDGsウォッシュはその部分的な行動自体は良いことであっても、多くの人にSDGsウォッシュと判断されてしまえば、むしろダメージの方が大きいです。

また本腰を入れていない活動の場合は一定得られる評価も小さいはずです。

つまり、SDGsウォッシュはリスクリワードの悪い行動と言えます。

SDGs活動が自社に本業・強みの延長線上にあるか

SDGs活動が自社に本業・強みの延長線上にあるか

SDGsウォッシュと思われてしまった企業の中には意図せずそう思われてしまった場合もあります。

例えば、先述した飲食店の事例でも、SDGsという言葉を聞いてなんとなく地域清掃に参加しただけというケースもあるでしょう。

そのようにSDGsウォッシュと勘違いされないためには、「その活動が本業の延長線上にあるか」ということが重要でしょう。

それは自社が普段行っているものの中からできることを探すため、より本質的で、根本的な解決を模索できるからです。

やけに見栄えが良いものよりも深みがあり、意味もあるはずです。

また、本業である以上、企業としては収益が求められます。収益を生み出しながらSDGs活動を行うことは、社会にとっても企業にとっても持続性をもたらします。

企業が一時的なキャンペーンで行うよりも、結果的に大きな効果をもたらすのではないでしょうか。

個人としても何ができるか

ここまでSDGsウォッシュの概要や企業が行ってしなう理由などを説明してきました。

SDGsは企業ばかりがクローズアップされがちですが、個人としてもできることはたくさんあります。

ごみの分別や食品ロスの削減、マイボトルを持参するなど、あげたらキリがありません。

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