太陽光パネルメーカー比較ランキング2022【部門別徹底調査】

太陽光発電のパネルメーカーは、海外・国内共に非常にたくさんあります。そのため、どのメーカーにするべきかを決めるのは至難の業です。

また、パネルメーカーは普段の生活に馴染みのないところが多いため、販売店が提案するメーカーが大丈夫なのか心配になってしまう方もいるのではないでしょうか。

そんなときに役に立つのが、「客観的なデータ」です。

この記事では、太陽光発電をこれから導入する方に向けて、海外・国内の太陽光パネルメーカーを徹底比較し、様々なランキングをお届けします。

そして最後には、それぞれのメーカーについての詳細な説明も載せています。ぜひご覧ください。

太陽光パネルを選ぶポイント

太陽光パネル(ソーラーパネル)を選ぶポイント

まずは、太陽光パネルを選ぶ際のポイント・知っておいてほしいことについて簡単に解説します。

変換効率

変換効率とは、太陽の光エネルギーをどれだけ電気エネルギーに変換できるかを表します。

太陽光発電の目的は、屋根に降り注ぐ太陽の光を電気として利用することです。そのため、変換効率は比較するうえで1つの要素となります。

値は「%」で表され、「%」がより高い方が性能が良いことを示しています。
パネルの種類にもよりますが、変換効率19~22%のパネルがほとんどです。

ただし、太陽光発電導入を検討する際は「変換効率」についてさほど気にしなくても問題ありません。

販売会社を含め、多くの方が「変換効率」についての考え方が誤っているので、注意しましょう。

価格

太陽光発電は「経済性があるかどうか」が重要なポイントとなります。

30年間でトータル300万円の収益を生み出す太陽光発電の導入に300万円支払うのはお得でしょうか。

それであれば、150万円の収益を生み出す100万円の太陽光発電のほうが、発電量は少ないですがIRR(内部収益率)上は優秀です。

価格の相場を理解して、しっかり経済メリットがあるのか確認しましょう。

気を付けたいのは、価格の差は「メーカーの差」よりも「販売店の差」のほうが大きいことです。同じメーカーの同じ商品であっても、Aの販売店よりBの販売店のほうが30%も安い…。のようなことはよくあります。

保証・耐久性

太陽光パネルの一般的な寿命は20~30年と言われています。

住宅用太陽光発電が日本で初めて販売されたのが1993年ですので、30年を超えて実働している実例がまだ少ないですが、お寺などでは実際に30年を超えても安定稼働している実例もあります。

メーカーや種類によって経年劣化による出力低下率や温度変化の影響などは異なりますのでチェックしておきましょう。

また各太陽光パネルメーカーは、出力保証と製品保証を設定しているケースがほとんどです。

補償内容
出力保証・太陽光パネルにおける一定期間の出力を保証
・既定の数値を下回った場合に有効
・メーカーが交換や修理、金額補償等を行う
・25年が一般的
製品保証・太陽光パネルの不具合による故障を保証
・一般の家電と似た補償内容
・メーカーが交換や修理、金額補償等を行う
・12~15年が一般的

細かい内容は、メーカーによって異なります。また、「出力保証」は、何%の出力まで保証してくれるかもメーカーによって異なるため、併せてチェックしましょう。

出力保証については、数値はもちろん、リニア保証であるか、ステップ保証であるかはチェックしておきましょう。

パネルの形・寸法

変換効率や国内製・海外製といったことを気にしがちですが、大前提としてメーカーによってパネルの寸法や形が異なります。

太陽光発電は傾向として、パネル容量が大きくなればなるほど、1kWあたりの価格が下がっていきますので、各自宅の屋根に上手くフィットしたパネルメーカーを選定することも重要です。

1つの販売店に取り扱いメーカーの中からフィットしたパネルを選定してもらうことも悪くないですが、そもそもあまり取り扱いが多くなかったり、販売店によって得意にしているパネルメーカーがあったりもします。

そのため、複数社に見積もりを取ることで、比較できるパネルメーカーの数を増やすことに尽力しましょう。

「住宅用」・「産業用」ってなに?

太陽光発電について調べていくと、「住宅用太陽光発電」・「産業用太陽光発電」といった言葉を目にすることがあります。

意味としては、以下の通りとなります。

  • 住宅用:太陽光発電のシステム容量(パネル容量の合計とパワコン容量の合計のどちらか低い値)が10kW未満
  • 産業用:太陽光発電のシステム容量が10kW未満

つまり、本来はシステム容量による区別であり、パネルメーカーによってその区分があるわけではありません。

「住宅用によく使われるパネルメーカー」、「産業用によく使われるパネルメーカー」というだけです。

唯一、考慮すべきところがあるとしたら、FIT(固定価格買取制度)に登録されているパネル型式で「A」に登録されていれば住宅でもFITによる売電ができます。

一般的に、産業用によく使われるパネルはサイズが大きめで、価格が安いという特徴があります。

そのため、屋根に合うようであれば、そういったパネルを検討することも有効です。

産業用によく使われるパネルを扱える販売店が少ないのは事実

住宅用太陽光発電は、1つのメーカーから、パネル・パワコン・ケーブル・架台・その他機器類を丸ごとセットで仕入れて、設置することがほとんどです。

そもそもメーカーがパッケージ化して販売いるので、それが当たり前であり、そのおかげで設計や手続きをスムーズにしている側面があるのも確かです。

しかし、パネルとパワコンの組み合わせを自社で設計して、別々で仕入れるといったことをしていない、またはできない販売店が多いです。

それによって、本当は海外製の大きいパネルを設置した方がメリットが大きいのに、提案しないということもあるのが実情です。

そのような意味でも、複数社見積もることは重要と言えます。

OEMが当たり前

太陽光発電を検討する人の中には、「海外製の品質は信頼できない」といった思いを持っている方もいます。

しかし、太陽光発電は「OEM」が当たり前な業界です。

OEMとは、製造メーカー(OEMメーカー)が他社(発注元)の名義やブランドの製品を製造することです。

つまり、A社とB社が提携をして、A社が全く同じ性能・品質を持ったパネルB社のパネルをA社のパネルとして、販売します。

例えば、住宅の太陽光発電で大きなシェアを持つカナディアンソーラーでは、パナソニックやオムロンのパワコンをOEMして、カナディアンソーラーのパワコンとして販売しています。性能はパナソニックやオムロンのパワコンと変わらないのです。

逆に、パナソニックの「MP工法用」太陽光パネルはカナディアンソーラーのOEM品です。

このように、太陽光発電業界はほとんどがOEMで持ちつ持たれつの関係で成り立っているため、あまり海外製・国内製といったことを重要視する意味が薄いといえます。

太陽光パネルメーカー比較早見表【14選】

各メーカーの説明の前に主要メーカーの早見表を記載します。

実際に購入するときの販売価格は販売店によって異なるため、「コスト」欄は価格帯の目安を★★★★(低価格)~ ★(高価格)で独自に付けました。

また、「販売店取扱い」は、住宅の太陽光発電の販売店が取り扱っている可能性を★★★★(高い)~ ★(低い)で付けました。★のメーカーは、住宅の太陽光発電で提案できる販売店はかなり少ないでしょう。

なお、メーカー内でも複数の品番があるため、変換効率はあくまで一例です。また、下記に記載のパネルは住宅用(10kW未満)としてFITを利用できるパネルです。

メーカー
(品番)
コスト変換効率出力保証製品保証 or
システム保証
販売店取扱い
カナディアンソーラー
(CS6R-410MS)
★★★21.0%25年15年★★★★
ハンファQセルズ
(Q.PEAK DUO M-G11 400)
★★★20.8%25年15年★★★★
パナソニック
(VBM375EJ01N)
★★20.3%25年25年★★★★
長州産業
(CS-340B81)
★★★20.0%25年15年★★★
DMM
(DMM6-60PH-375J)
★★★21.54%30年15年★★
ネクストエナジー
(NER108M410B-MD)
★★20.9%25年15年★★
京セラ
(KT370-120HL4)
20.3%20年15年★★
シャープ
(NU-375KH)
20.6%20年10年★★★
東芝
(SPR-X22-360)
22.1%25年15年★★★
ソーラーフロンティア
(SFA405-120C)
★★21.1%20年10年★★
ジンコソーラー
(JKM425N-54HL4)
★★★★21.76%25年12年
ロンジソーラー
(LR4-60HPH-380M)
★★★★20.9%25年12年★★
JAソーラー
(JAM60S20 390 MR)
★★★★21.0%25年12年
トリナソーラー
(TSM-385DE08M(ii))
★★★★21.0%25年12年

太陽光パネルメーカーランキング【部門別】

時価総額【企業規模】

※日本時間2022年10月20日株価データより、1米ドル=149.92円、1元=20.74円にて計算(上場企業のみ)

順位メーカー時価総額
1ロンジソーラー78,700億円
2JAソーラー31,503億円
3トリナソーラー30,376 億円
4京セラ27,479億円
5パナソニック25,497億円

時価総額とは、株価に発行済み株式総数を掛けた値で、いわゆる企業の規模・価値を表します。

この規模が大きい会社であれば、簡単に買収されることは考えにくく、流動性も高くなります。

数年前までは日本企業がトップだったのですが、中国勢の勢いに押されてきています。

一方、このランキングに乗らなかったメーカーに関しても、1,000億以上の企業が多く、会社の規模で見ると信頼性が高い企業が多いです。

ちなみに、時価総額は会社全体の規模を表しているため、太陽光発電のみにおける事業規模ではありません。つまり、太陽光発電事業のみの企業価値でみると、やはりトップ層の中国勢は圧倒的です。

消費者の観点で見ると、製品の保証は販売店ではなくメーカーが行い、かつ、太陽光発電は寿命が非常に長い製品ですので、企業の規模や安定性は重要な要素となります。

信頼度スコア【品質】

国際品質保障の認証機関であるPV Evolution Lab(PVEL)は、2014年から毎年太陽光パネル信頼度スコアというものを発表しています。

この認定は、太陽光パネルの国際電気標準会議(IEC)試験の「2~4倍」の負荷をかけた以下の試験で構成されています。

  • 温度サイクル試験
  • 高温高湿試験
  • 動的機械荷重試験
  • 結露凍結試験
  • PID試験

沢山の項目がありますが、簡単に言うと、一般的に販売している太陽光パネルの品質の信頼性試験結果を最も包括的に比較することができるスコアです。

上表で緑の印がついているメーカーは、その年の「トップ・パフォーマー」を獲得しており、2022年版では25社のみとなりました。

特にその中でも、複数年連続でトップ・パフォーマーを獲得している企業もあり、品質の高さが証明されています。

連続年数企業名
8年連続・ジンコソーラー
・トリナソーラー
7年連続・ハンファQセルズ
・REC
6年連続・ロンジソーラー
5年連続・JAソーラー
・Adani Solar

特に、ロンジソーラーは6年連続で「全ての判定カテゴリー」においてトップパフォーマー獲得しており、品質の高さがうかがえます。

2018年版では日本から京セラがトップパフォーマー入りしていましたが、現在は残念ながら日本勢は姿を消してしまいました。

そもそも今は日本勢がこの信頼性スコアの試験を受けるための申請をしていないことも考えられますが、少なくともこのランキングに入っている企業のパネルは品質が高いということは言えるでしょう。

世界出荷量ランキング【実績】

順位メーカー
1ロンジソーラー
2JAソーラー
3トリナソーラー
4ジンコソーラー
5カナディアンソーラー
6ハンファQセルズ

上の表は、世界の太陽光パネルメーカーにおける2021年の出荷量を表しています。その多くを中国企業が占めており、世界の太陽光発電業界は中国が牽引していると言えます。

かつては日本企業もトップ10までランクインしていたものの、現在の太陽光発電の国別シェアランキングでも海外勢がシェアを伸ばし続けています。

出荷量は総合面で選ばれ、実際に多くの人が導入したという証になりますので、太陽光パネル選びの1つの参考となるでしょう。

導入量が多ければ多いほど、それに伴って技術の進歩も見込まれるため、品質の向上にも繋がります。

各太陽光パネルメーカーの特徴

各太陽光パネルメーカーの特徴

海外メーカー

ジンコソーラー(Jinko Solar)

  • 信頼度スコア8年連続「トップ・パフォーマー」
  • 出荷量世界第4位
  • 社員数15,000人(2020年)
  • 日本法人あり

ジンコソーラーは世界シェアNo1の太陽光パネルメーカーで、会社設立は2006年、2010年にはニューヨーク証券取引所に上場した中国のグローバルカンパニーです。

社員数はグループ全体で15,000人で、2013年には日本法人であるジンコソーラージャパンも設立しており、今後も日本でのさらなる普及を目指しています。

セルの開発からパネルの組み立てまでを自社一環で行うことで、低価格ながら、高品質を維持しています。

パネルの特徴としては、スマートモジュールによりホットスポット(パネルの一部が熱を持つ現象)による発電量の低下や火災リスクを避ける仕組みになっています。

価格・品質は良いのですが、日本の住宅用太陽光発電では、ジンコソーラーを提案している販売店は少ないのが現状です。

トリナソーラー

  • 信頼度スコア8年連続「トップ・パフォーマー」
  • 出荷量世界第3位
  • 日本法人あり

トリナソーラーは、1997年に中国で創業しアメリカやスイスなど世界の各地に本部を置く巨大企業です。

日本においても2010年にトリナソーラージャパンを設立しています。

世界でもトップクラスのシェアを誇り、国際規格よりも厳しい30項目以上の試験に合格したものだけを出荷していますので安全性も高いです。

また、ブルームバーグNFFのバンカビリティレポートで連続でトップを獲得しています。

バンカビリティは財務の健全性だけではなく、太陽光パネルの実績や保証も加味したうえでの銀行における融資適格性を評価したもので、太陽光パネルメーカーの信頼性を表します。

トリナソーラーも価格・品質は良いのですが、日本の住宅用太陽光発電では、提案している販売店は少ないのが現状です。

ロンジソーラー

  • 信頼度スコア6年連続「トップ・パフォーマー」
  • 出荷量世界第1位
  • 時価総額7兆円越え
  • 社員数49,967人(2021年12月31日)
  • 日本法人あり
  • 非常に高い財務健全性

世界における知名度は非常に高く、いま日本市場においても急速に人気を集めているのが、ロンジソーラーです。

パネルの品質が非常に高く、出力保証の保証する劣化率が他メーカーと比較しても高いことがそれを裏付けています。

住宅用でロンジソーラーのパネルを提案できる販売店はあまり多くありませんが、最近ロンジソーラー+国内パワコンをパッケージとして販売する商社もでてきており、徐々に住宅用でも使用される機会が増えています。

また、財務が非常に健全であることも大きなメリットです。

ブルームバーグNETによるバンカビリティ評価で最上位に位置付けられており、メーカー保証の履行という面でも優れています。

価格、品質、安定性、実績、全てにおいて申し分ないメーカーです。

カナディアンソーラー

  • 出荷量世界第5位
  • 世界160か国以上の導入実績
  • 日本法人あり
  • 自然災害補償あり(販売店による)
  • 日本の住宅用太陽光発電では非常にメジャー

世界160ヵ国以上に導入実績があるカナディアンソーラーは、日本での導入実績も豊富です。

日本法人であるカナディアン・ソーラー・ジャパン株式会社は2009年に設立されました。

2001年にカナダで設立されましたが、生産は中国を中心に行っています。

コストパフォーマンスが高いことに加え、積雪への体制が強いため東北や北海道の地域に適しています。

太陽光発電を検討する場合、カナディアンソーラーを目にしないことはないというほど、住宅用では非常にメジャーなメーカーです。

サポート体制も充実しており、万が一の際も連絡がスムーズです。

パネルの特徴としては、日本の住宅用に合わせて、組み合わせがしやすいような品揃えをしているという点です。

そのため、設置容量の最大化という観点でもぜひ検討したいメーカーの一つです。

価格も安く、全体的にバランスが良いメーカーと言えます。

ハンファQセルズ

  • 信頼度スコア7年連続「トップ・パフォーマー」
  • 出荷量世界第6位
  • 自然災害補償あり(販売店による)

Qセルズは、2000年代後半に世界シェア1位も獲得したことがある太陽光関連機器メーカーです。日本ではハンファQセルズジャパンが運営しています。

低価格にも関わらず、気候変化に強く、低日照時間の発電力に特徴があります。

創業はドイツであったため、ヨーロッパの厳しい気候にも耐えれるように設計されています。

また保証の特徴として、災害補償が無償で10年ついています。これにより、火災や風災、盗難などによる太陽光発電システムの事故にも対応してくれます。

創業後は1度破産していますが、その後韓国のハンファグループに買収され、現在の生産は韓国・中国・マレーシアなどで行っています。

現在の業績は良く特段問題は見られないものの、一度破産したことがある企業に不安を持たれる方はいるかもしれません。

価格・品質に関しては問題ないメーカーですので、考慮の1つの入ってくるでしょう。

JAソーラー

  • 信頼度スコア5年連続「トップ・パフォーマー」
  • 出荷量世界第2位
  • 日本法人あり

JAソーラーは、2005年に設立された中国・上海に本社を置く太陽光パネルメーカーです。

2007年にナスダックに上場しており、日本ではJAソーラージャパン株式会社が運営しています。

製品の開発から生産、販売までのプロセスをすべて一社で統合したビジネスモデルを行うことにより、コスト効率が高く、高品質を実現しています。

大規模プロジェクトへも多く参画しており、導入実績もトップクラスです。

保証面では「バックアップ保証」を用意しており、仮にJAソーラーが破綻しても損害保険会社が代わりに保証に対する責任を果たしてくれます。

品質・価格共に良いメーカーですが、住宅用太陽光発電で提案できる販売店は多くありません。

国内メーカー

ネクストエナジー

  • 業界初の経済損失補償

ネクストエナジー・アンド・リソース株式会社は2003年創業、本社は長野・東京に構えています。一方、太陽光パネルの製造は自社工場ではなく中国企業にて行っています。

特徴としては、国内メーカーの中では比較的コストにも優れている点です。

ネクストエナジーは、出力保証・製品保証の他にも、経済損失補償や自然災害補償が無償でついています。

経済損失補償は、10年以内に出力保証における出力に不具合が生じた場合、最大6ヶ月間その分の売電収入を補償してくれる業界初の制度です。

また、製品保証を受ける際、交換に要する製品以外の費用は設置者負担であることが多いですが、ネクストエナジーは運送費や撤去費も不要です。

ソーラーフロンティア

  • 国内製造メーカー
  • CIS薄膜系太陽光パネル

ソーラーフロンティアは、昭和シェル石油株式会社の100%子会社として1993年に設立しました(当時は昭和シェルソーラー)。

国内メーカーのほとんどがセルの製造などを中国やマレーシアなどでおこないますが、ソーラーフロンティアは数少ない一貫して国内で製造しているメーカーです(その他は長州産業のみ)。

ソーラーフロンティアは、シリコン結晶を使用した太陽光パネルが主流の中、CIS薄膜系太陽光パネルを製造し、独自路線を進んでいました。

CIS薄膜系太陽光パネルは、安価にも関わらず発電量が多いのが特徴です。これは「光日射効果」と呼ばれる特性があるからです。出荷されたパネルに太陽光が降り注いだあと、出力が上がります。

しかし、海外勢の生産能力に全く歯が立たず、既にOEM調達に切り替えています。

パナソニック

  • 時価総額約2兆円
  • 製品保証25年

言わずと知れた日本の有名電機メーカーで、1994年から住宅用太陽光発電の販売を開始しました。製造はマレーシアにて主に行っています。

海外メーカー比較するとコストはかかるものの、国内の大手メーカーの中ではコストパフォーマンスが高いメーカーと言えます。

また、保証期間が優れており、太陽光パネルにおける製品保証は無償で25年です。

これは世界の中でも長い期間となります。

一方、パナソニックは自社工場での太陽電池生産を終了し、海外製のOEM製造に切り替えています。

そのため、パネルという点での優位性はなくなってしまったのが実情です。

一方、パワコンは引き続き製造しており、逆に多くの他メーカーがパナソニックのパワコンをOEMする等で活躍しています。

長州産業

  • 国内製造メーカー
  • 珍しい雨漏り保証
  • 複雑な屋根にもフィットする多様なパネル

1980年創業の長州産業は、2011年より太陽光発電機器の製造をしています。

製造を完全国内で行っている唯一メーカーです。

また、海外メーカーのOEM(製造メーカーが他社ブランドの製品を製造すること)に頼る国内メーカーが多い中、長州産業は自社製造しています。

国内メーカーであることを第一にお考えの方には適したメーカーといえるでしょう。

保証の特徴は、メーカーが施行保証もしている点です。
施工が原因の不具合等に関しては。基本的には施行会社の保険や保証で対応するケースがほとんどです。しかし、長州産業は施行保証に関しても10年つけています。

万が一施工店が破綻してしまった場合にも安心です。

また、長州産業のパネルはハーフサイズや台形のものもあり、複雑な形の屋根にも最大容量設計しやすくなっています。日本メーカーである強みの一つです。

DMM

  • 30年の長期出力保証
  • 非常に高い出力保証値
  • 高い変換効率
  • 自然災害補償あり

DMMは2016年からパネル生産・住宅用システム販売開始とやや後発のメーカーですが、品質は良く、保証も長期と良い点もあるメーカーです。

ちなみに、パネルはジンコソーラーのOEM品です。

特徴は出力保証が30年と、他メーカーと比較しても長く、また30年後の出力を87.4%まで保証しており、その保証値も非常に高い点です。

パワコンはファーウェイのOEMで、それに伴い、蓄電池システムもファーウェイと同じように5kWh/10kWh/15kWhの組み合わせから選ぶことができます。

このように、DMMは国内企業ですが、どちらかというと海外製メーカーのようなスタイルを取り入れているメーカーです。

東芝

  • 世界最高水準の変換効率を達成
  • 時価総額2兆円以上

東芝は、2010年と少し遅めに住宅用太陽光発電に参入していました。自社で製造を行わず、アメリカのサンパワーと提携し、OEMで供給しています。

電極のラインを裏側にする「バックコンタクト方式」により、多くの太陽光を受け取ることができます。その変換効率は、世界最高の22%台です。

一方、2021年3月に東芝は住宅用太陽光発電システムの販売から撤退してしまいました。

そのため、これからの考慮としては厳しいでしょう。

京セラ

  • 時価総額2兆円以上

京セラは、国内メーカーにおける老舗で、1993年から日本で初めて住宅用太陽光発電の販売を開始しています。

京セラパネルを有名にした1984年に千葉県佐倉市に設立された佐倉ソーラーエネルギーセンターでの多結晶シリコン太陽電池モジュールは、36年目の2021年の時点でも出力低下率17.2%で現在も稼働中です。

コストは高めですが、長期運用の実績もあり、安心感があるメーカーです。

シャープ

  • 時価総額5,000億以上

シャープも日本において長きに渡って太陽光発電業界を支えてきた企業です。

設置後もWebモニタリングサービスが無料でついており、太陽光発電システムのデータをもとに、発電診断を毎日チェックしてくれます。

長い間何らかの原因で発電量・売電量が落ちていた、、、という後悔をなくしてくれます。

コストは高いものの、長年の経験と、アフターサービスの安心感はあるメーカーです。

【最終結果】太陽光パネルメーカーおすすめランキング

順位メーカー
1ロンジソーラー
2カナディアンソーラー
3ハンファQセルズ
4長州産業

上位メーカー

総じて、いまは日本メーカーよりも海外メーカーに優位性があるのが実情です。

パナソニック、ソーラーフロンティア、三菱電機、東芝等、続々と自社生産から撤退しており、今後もこの流れが変わることは厳しい状況です。

そもそも中国は政府がクリーンエネルギー事業に大量の資金を投資しており、技術開発・導入を圧倒的なスピードで進めてきた背景がありますので、構造的な違いかもしれません。

これから導入する方に知っておいてほしい点としては、海外製パネルの品質はいまやかなり高く、かつ、価格も安いということです。日本メーカーに固執する必要は全くないのです。

ロンジソーラー

1位はロンジソーラーです。

先述の通り、品質がかなり高く、かつ、企業としての安定性も抜群です。

パネル価格も低く、コストメリットが出しやすいメーカーだといえるでしょう。

住宅用で扱っている販売店があまり多くないのがデメリットですが、複数社問い合わせをしていけば提案がある販売店と出会えるかもしれません。

どちらかというと産業用に使われるパネルですので、大きめの屋根をお持ちの方には特におすすめです。

カナディアンやQセルズと違って、自然災害補償はありませんが、自宅不動産の火災保険に増額する形で対応できる保険会社も多いので、気になる際は保険会社に問い合わせてみましょう。

カナディアンソーラー

第2位はカナディアンソーラーです。

ここでおすすめするまでもなく、そもそも取り扱っている販売店が多く、何社かに見積もりを取る中でどこかしらは提案があるメーカーかもしれません。

住宅ソリューションに注力してきたこともあり、サポート体制やサイト含め、日本人フレンドリーな点も魅力の1つです。

ロンジソーラーと比較すると、カナディアンソーラーがパネル以外のパワコンや架台もセットで販売しているため、保証関係がシンプルという違いもあります。

汎用性が高く、価格も安いため、多くの人にお勧めできるメーカーです。

ハンファQセルズ

第3位はハンファQセルズです。

カナディアンソーラーと一緒で、Qセルズとしてパッケージ化して販売している海外メーカーで、品質も価格も良いです。

カナディアンソーラーと価格帯もそこまで変わらないため、各屋根に合わせて、設置容量が多く載る方を採用するとよいでしょう。

長州産業

第4位は長州産業です。

国内メーカーの生き残りとして、確かな実力と支持があるメーカーです。

他のメーカーよりもパネルサイズが小さく、複雑な屋根にも対応できるため、設置容量が小さくなりそうな方にはおすすめです。

販売店によっては結構安く提供できるところもあり、海外製と遜色ない価格で導入ができる場合もあります。

どこの販売店から購入するか

太陽光発電導入検討の目的は、「コストに対する発電量を最大化すること」です。また、20年以上の発電量のためには、長期運用を支える太陽光パネルの品質も非常に重要です。

これらの情報をなるべく「客観性のあるデータ」で集め、最終的なパネルメーカーの総合評価をおこないました。

最後に繰り返しになりますが、「どの太陽光パネルメーカーを選ぶか」も重要ですが、「どの販売店から購入するか」はそれ以上に重要かもしれません。

なぜなら、メーカーや品番が一緒であればモノは全く一緒ですが、価格は全く異なる場合もあるからです。場合によっては倍以上価格が異なるケースもあります。

抑えている販売店を選ぶことが利益に直結します。

太陽光発電は、一括見積サイトにて複数社見積りをとって検討することが最も早く、やり取りも難しいものではありません。

数ある一括見積サイトの中でも、最低限トップ3であるソーラーパートナーズ【住宅用】タイナビグリエネは全て見積り依頼をしましょう。

販売店の違いだけで数十万円は簡単に変わりますので、手間に対しての価値が非常に高い項目です。

できるだけ多くの情報を仕入れて、素晴らしい太陽光ライフとなるようにしましょう!

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