持続可能な開発目標(SDGs)とは何か?注目の理由も簡単に解説!

新聞やネットで『SDGs(エスディージーズ)』という言葉を耳にする機会が増えてきたという方が多いのではないでしょうか。

一方、認知度調査ではSDGsの内容をある程度以上知っているという人は38%とまだまだ少なく、全体でみるとまだまだ知れ渡っているというレベルまでには及ばないようです。( 一般財団法人経済広報センター 「SDGsに関する意識調査」結果報告より引用)。

この記事では、聞いたことはあるけど内容は知らないという方のために、SDGsとはそもそもなにか、なぜいまSDGsが注目されているのか、そしてどのようにSDGsと関わっていけばよいのか等について説明していきます。

SDGsとはズバリ、『2030年までに達成すべき17の国際目標』

SDGsとはズバリ、『2030年までに達成すべき17の国際目標』

『SDGs(エスディージーズ)』とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略であり、「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、2015年9月の国連サミットで全会一致で採択されました。

具体的には、2030年を年限とした17の国際目標で構成されており、その下に169のターゲット・232の指標が決められています。さまざまな分野に渡って目標が定められていますが、すべてに共通する特徴は以下の5つです。

共通の特徴

つまり、「どこの国も、どんな人も、全ての分野において、将来の発展と個々人の未来のために行動しようよ!」ということです。まさにOne for all, All for oneというわけです。

SDGsの背景には、SDGsの前身であるミレニアム開発目標(MDGs)があります。MDGsは発展途上国向けの開発目標として8つの目標( ①貧困・飢餓 ②初等教育 ③女性 ④乳幼児 ⑤妊産婦 ⑥疾病 ⑦環境 ⑧連帯 )が設定されていました。

2015年を年限としたMDGsに対する取り組みは、貧困撲滅に向け急速な進展を見せるなど一定の成果を認めらましたが、十分とは言えませんでした。

そして、それに代わる新たな目標は、貧困関連以外の問題にも取り組みを広げる必要があり、世界の貧しい国々のみならず、すべての国に、また掲げる目標はより高くなくてはなりませんでした。そして3年にも渡る話し合いの末、SDGsが作り上げられました。

それではSDGsの中身、「17の目標」と「169のターゲット(具体目標)」とは具体的にどのようなものなのか。それぞれ見てみましょう。

肝心な『17の国際目標』の中身とは?

17の国際目標
17の国際目標
17の国際目標

目標の1から6は、上記のMDGsを引き継ぐ形で設定されており、開発途上国の中心的な課題です。目標7以降は、経済や環境の側面から先進国にも関連性の高い課題が設定されていることがわかります。

『169のターゲット』とは17の目標を具体化したもの!

『169のターゲット』とは17の目標を具体化したもの!

17の目標の内容をより詳細に定めたものが『169のターゲット』です。以下は目標1のみを記載しています。

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「目標1:貧困をなくそう」におけるターゲット

1.1:2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
1.2:2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
1.3:各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。
1.4 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。
1.5 2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。
1.a あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。
1.b 貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。”

(外務省仮訳「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」より)

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その他目標2~17に対してもそれぞれターゲットが設けられており、合計169のターゲットで構成されています。各ターゲットをご覧になりたい方はこちら

ひとつのターゲットを見てもわかるように、各ターゲットは世界全体で解決すべき課題が設定されており、国境を越えた国際協力が不可欠です。

なぜいま、SDGsが注目されているのか?

なぜいま、SDGsが注目されているのか?

近年、なにかとメディア等で取り上げられるようになったり、企業がさまざまな取り組みを行うようになったSDGsですが、MDGsの頃は今ほどの盛り上がりはありませんでした。

この背景にはSDGsのような長期的な世界の未来を意識した経済活動をせず、短期的な利益ばかり追求する企業は淘汰されていくという気運が高まっていることにあります。

たとえば、 2010年にはネスレの「キットカット」の材料調達に関して、アブラヤシから取れるパーム油が熱帯雨林を破壊しているとして不買運動が起こりました。

また、以下の調査では消費者の約9割がSDGsに取り組んでいる企業の製品・サービスを利用したいと考えていることがわかりました。

このように、ビジネスの側面からもSDGs達成に向けた取り組みは無視できない状況にあります。

SDGsに取り組んでいる日本企業の製品・サービスを利用したいと思うかを聞いたところ、「そう思う」(45%)、「やや思う」(41%)を合わせると、「利用したい と思う」は86%となっている。一方で、「利用したいと思わない」は1%、「どちら でもない」が10%、「分からない」が3%である。
一般財団法人経済広報センター 「SDGsに関する意識調査」結果報告

● 『 ESG投資 』の注目も大きな要因のひとつ

株式市場でも環境(Environment)と社会(Social)、企業統治(Governance)を意識し行動する企業への投資が注目されています。例えば女性の管理職数、企業統治における社外取締役の数などを新聞でもよく目にするようになりました。

このESG投資にも国連が関わっており、投資家に対して環境や社会に配慮した企業への投資を促す「責任投資原則(PRI)」を公表しました。PRIに署名した機関投資家はすでに世界中で1,800機関以上、運用資産総額は約70兆ドル(約7,600兆円)に達します。

日本でも我々の年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が署名しました。GPIFは運用資産160兆円を超え、幅広い銘柄を一気に買いあさることから「クジラ」と呼ばれており、GPIFのPRIへの署名は市場の注目を集めました。

このように、ESG投資はもはや投資テーマのひとつではなく、企業への投資を行う際の前提としての概念のようになっています。

どのようにSDGsと関わっていくのか

どのようにSDGsと関わっていくのか

SDGsでは『誰一人取り残さない』という言葉をひとつのキーワードとしています。

それを実現するには一部の国や人々が参加する単なるイベントではなく、世界中の人々が取り組むべきものである必要があります。

そのためにはとにかく多くの情報を仕入れ、自分ごととして行動していくことが重要です。

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