話題のV2Hってなに?太陽光発電+電気自動車でますますお得に!?

最近何かと耳にする「V2H」。一般的な電気自動車のことを指しているのではありません。「Vehicle to home(自動車から家へ)」を意味し、このシステムによって、電気自動車に蓄えられた電力を、家庭用に有効活用することができるのです。

言い換えると、「電気自動車を蓄電池として利用できる機器」それがV2Hになります。

実は、一般的な電気自動車は、家から電気を貰い充電するだけで、車から家に電気を送ることはできません。V2Hを導入することで、はじめて電気自動車を蓄電池のように使うことできるようになるのです。

EV

画像:三菱電機

特に太陽光発電を設置している家庭では、災害時により多くメリットを受けることができますので、是非検討してみるといいでしょう。

組み合わせ停電対策電気代削減
電気自動車
電気自動車 + V2H~2日
電気自動車 + V2H + 太陽光発電無限

V2Hのメリットってなに?

質問

V2Hを簡単に説明すると、「電気自動車を蓄電池として利用できる」ことでした。

V2Hシステムを導入して、電気自動車を蓄電池として使用するメリットは、主に以下の4つが挙げられます。

  • 災害対策
  • 経済性
  • 機能的
  • 補助金

災害対策

一番大きいメリットです。

V2Hを導入することで、家庭用蓄電池のように、停電の際に家庭に電気を送ることができます。

しかも、ほとんどの蓄電池の蓄電容量と比較して、電気自動車の蓄電容量はとても大きいものとなっています。

タイプ名前蓄電容量
蓄電池創蓄連携システムS5.5kWh
蓄電池EIBS77.04kWh
電気自動車リーフ40kWh

なんと家庭用の蓄電池と比較して、5倍ほどの蓄電容量となっています。

この蓄電容量を通常の蓄電池で賄おうとするととても大変です。価格も高くなってしまいますし、消防法の関係で、申請手続きをしないとそもそも設置ができないのです。

注意をしないといけないのは、災害が起きたときに必ずしも電気自動車の蓄電池がMAXになっているわけではないことです。

もしもどこかにドライブを行ってきて、電気自動車の残量が少ないときに停電が起きたら・・・。もちろん残りの残量分しか非常用電源として利用することはできません。

もしも残量が半分だとしたら、20kWhほど。普通の家庭が一日で利用する電気は10kWhより多いくらいなので、だいたい2日分くらいの災害対策ができると思っていればいいのではないでしょうか。

そして、もしも東日本大震災のように、停電が数日~1週間も続くことを想定する場合は、太陽光発電を検討しましょう。

太陽光発電を設置している家の場合は、停電が起こった時でも、日中は太陽光発電で電気を発電し、電気自動車に蓄えることができます。つまり、太陽の光さえあれば、永久に停電対策ができることになります。

しかも、太陽光発電だけでは夜間の停電対策は不可能なので、「ためて使える電気自動車+V2H」だからこそできる機能なのです!

ただし、V2Hや太陽光発電のパワコンの機種によっては、災害時に太陽光発電の電力を蓄えることができないものもあるので注意しましょう。

経済的

V2Hを導入した後に関しては、電気代を節約することができます。

電気代の安い時間帯に充電し、電気代の高い時間帯に自動車から家庭へと電力を送ることで電気代の節約に繋がります。さらに太陽光発電を設置している家庭の場合、FIT終了後に余剰電力を安い価格で売ることなく、余剰電力は電気自動車に回してしまえば、ガソリン代の節約にもなります。

電気代の節約

画像:一般社団法人次世代自動車振興センタ

ただし、これは「もしもV2Hを無料で導入できたら」の話。V2H自体の費用は、電気代削減で賄えるほど小さくはありません。

イメージとしては、災害対策として100万円で購入するけれど、電気代削減(30万円)もあるから実質70万円で購入できたと同じだね。というような形になります。

電気代削減のみに注目した営業文句には注意しましょう!

機能的

家庭用の200Vの電源と比較すると、その半分の時間で充電することができます。

実用性がないと意味のない電気自動車だからこその機能性が、様々なところで役に立つでしょう。

単純な蓄電池と比較するなら、電気自動車が車として利用できること自体も大きな機能といえるかもしれません。

補助金

補助金には、都道府県からのものと、市区町村からのものがあります。中には補助金制度を行っていない都道府県や市区町村もあります。また、補助金の申請は先着順なので、お住まいの自治体の最新の状況を確認することが必要です。下記に一例として東京都の補助金について掲載しておきます。

補助金額
東京都ニチコン・スタンダードモデル:199,000円
ニチコン・プレミアム:300,000円
三菱・smartV2H:300,000円
神奈川県・V2H機器代の1/3を補助(上限20万円)
 新規V2H + 新規電気自動車(EV車)+ 太陽光発電(新規でも既存でもOK)
・V2H機器代の1/4を補助(上限20万円)
 新規V2H + 既存電気自動車(EV車)+ 太陽光発電(新規でも既存でもOK)

地方公共団体や法人、マンションのオーナーがV2Hを導入する場合は、一般社団法人次世代自動車振興センターが行う国からの補助を受けることができます。

V2Hは家庭用蓄電池と何が違う?

V2Hとよく比較されるものに、蓄電池があります。V2Hと蓄電池は何が違うのでしょうか?

考えればわかることですが、V2H自体には蓄電機能はついていません。V2Hはあくまで電気自動車を家庭用に使える蓄電池に変えるシステムなのです。そのため、蓄電池と比較するときには、「V2H+電気自動車」で1セットと考えてください。

「家庭用蓄電池」 VS 「V2H+電気自動車」の違いをまとめてみました。

家庭用蓄電池V2H+電気自動車
蓄電容量約4~16kWh約12~100kWh
負荷型全負荷/特定負荷全負荷/特定負荷
補助金地域による比較的高額
移動できないできる(車両としての機能もある)

V2Hシステムを導入すれば、電気自動車が自動車としての役割に加え、家庭用蓄電池としての役割も果たすことができます。

太陽光発電と連携できる蓄電池の価格は約90~200万円、V2H導入時に必要な電気自動車の価格は190~270万円と言われています。ここにEV用パワーコンディショナー(パワーステーション)の価格40~300万円をプラス。家庭用蓄電池と電気自動車の組み合わせで購入するよりも、補助金面や電気自動車が蓄電池と車両の一台二役で使用できる点も考えると、V2Hシステムを導入した方が総合的にメリットがあるように思えませんか?

まとめると、V2Hは「電気自動車を持っている人だからできる権利」と考えればいいのではないでしょうか。

車自体を依頼ないと考えている人には選択肢としてでませんので当然ですね。

卒FITなどで蓄電池の導入を検討するひとは、蓄電池ではなく「電気自動車+V2H」の導入も検討してみましょう!

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V2H導入時に必要なもの

続いては、V2H導入に必要なものを簡単に説明します。

  • V2Hに対応した電気自動車
  • V2Hシステム(電気自動車と自宅をつなぐEV用パワーコンディショナーやパワーステーション)

V2Hに対応した車種は?

V2Hに対応した電気自動車には主に以下のものが挙げられます。

車種
三菱i-MiEV  
MINICAB-MiEV VAN 
MINICAB-MiEV TRUCK 
アウトランダー PHEV 
日産リーフ  リーフe+  e-NV200 
トヨタプリウスPHV

ちなみに・・・電気自動車のメリットは?

  • 運転中の揺れが少ない、音も静か
  • ガソリン車よりも燃料費(電気代)が安い
  • 二酸化炭素を排出しないため、環境に優しい などが挙げられます。

ガソリン自動車から電気自動車への移行が進むといわれていますので、各社ここから多くの電気自動車を開発していくことが期待できます!

V2Hシステムっていくらくらいするの?

V2H機器は、メーカーや製品によってスペックが異なり、それに伴い価格も約40万~300万と大きく変わってきます。また、別途工事費が必要になります。下記にいくつかV2Hを紹介します。

ニチコン V2H スタンダードニコチン V2H プレミアム三菱SMART V2H
ソース画像を表示ソース画像を表示SMART V2H
タイプ
(※1)
特定負荷型全負荷型全負荷型
停電時の出力スタンダード:3.0kw
100V
6.0kw
200V
6.0kw
200V
機器保証2年間5年間1年間
希望小売価格398,000円798,000円1,690,000円

画像:nichicon 三菱電機

ちなみに、三菱はV2Hから撤退することが公表されました。まだまだ電気自動車の導入が追い付かず、採算が追い付かないとのことです。

そのため、現状はニチコンのV2Hを希望する方が多くなっています。現在は人気につき、希望小売価格より高い値段で取引されることも多くなっています。また、納期も1ヶ月以上かかることもあるので、電気自動車を検討されている方は早めにV2Hの検討も始めてみてはいかがでしょうか。

※1 特定負荷型と全負荷型の違い

特定負荷型は、停電時に家庭内の特定のエリアだけに蓄電電力を供給するタイプのことを指します。例えば、2階の寝室に電力が供給されるように設定しておくと、停電時にこの該当エリアのみ電力が供給され、1階のリビングなどには電気が供給されません。

また、特定負荷型は、100Vの電化製品にしか対応していないため注意が必要です。一方全負荷型はエリアを設定する必要がありません。停電時には家のどこでも電力を供給することができます。また出力タイプが200Vなので、エアコンや電気ケトルも使用することができます。

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さらに、太陽光発電と同時の導入もできるので、災害対策、電気代削減を最も効率よく行うことができます!

V2Hのデメリットは?

デメリット

V2Hシステムを用いて電気自動車を蓄電池として使用するデメリットは何なのでしょうか?

初期費用が高額

V2Hを導入するためには、既に記載したように、V2H対応の電気自動車とEVパワーコンディショナー(パワーステーション)の購入が必要です。電気自動車は約190~270万円、EVパワーコンディショナー(パワーステーション)が40~300万円なので、選ぶ車種やEVパワーコンディショナーによってはかなりの高額になってしまう事があります。

しかし先述した通り、V2H導入にあたっては補助金を受けることができるので、上手く制度を利用して初期費用をなるべく抑えることもできそうです。

運転時は蓄電池としては使えない

一台二役をV2Hのメリットとして挙げましたが、電気自動車を運転している間は家庭に電気を送ることはできません。

車の使用頻度がかなり高く、蓄電池としての役割を果たす時間を電気自動車に与えられない場合は、V2Hはあまりメリットがないとも言えます。ご自分の生活スタイルから、V2Hが向いているかどうか判断すると良いでしょう。

駐車スペースが必要

電気自動車を駐車するスペースに加え、EVパワーコンディショナー(パワーステーション)を設置するスペースも必要になります。

太陽光発電とV2Hを併用するメリットは?

太陽光発電とV2Hを併用するメリットは?

災害時に役立つ

停電が長期化した場合、電気自動車からの電力供給が足りなくなることが考えられます。

V2Hと太陽光発電を併用することで、昼間は太陽光発電で発電し、もし電力があまった場合は電気自動車に蓄電しておけば、電気自動車から送電し、夜間にも電力を使うことができます。もちろん、その電力を使い、移動手段として電気自動車を使用することもできます。災害時にはガソリンスタンドが営業していない場合や混雑する事も考えられます。そのため、太陽光発電の電力で走れる電気自動車は災害時に非常に役立つと考えられます。

また、通常の家庭量蓄電池に比べると、電気自動車は蓄電容量が大きいという特徴もあるため、太陽光発電とV2Hを組み合わせることによって災害時の停電リスクにより安心して備えることができます。

初期費用回収の短縮

V2Hのみ導入した場合、その初期投資費用をV2Hの経済的メリットのみで回収するのは困難だと言えます。

静岡県浜松市を拠点とする株式会社ソーラーアシストが提示しているシュミレーションによると、V2Hなしの場合は初期費用を回収するのには約40年間かかる計算です。V2Hの寿命は40年もありませんので、これではあまりメリットがあるとは言えません。

太陽光発電を導入した場合、昼間は太陽光で発電した電気を使用するので、昼間の電気代がかからないことや、売電の経済的メリットが生まれます。そのため、V2Hと太陽光発電を導入した場合は、両方の初期費用回収には約13年間かかる計算となり、V2Hのみ導入した場合と比較すると大幅に回収期間を短縮することが可能となりそうです。

太陽光発電とセットでV2H導入も検討しよう!

太陽光発電とセットでV2H導入も検討してみよう!

V2Hのメリットとして、

  • 災害時(停電時)にも家庭に電気を送ることができる
  • 電気代の安い夜中に充電し、電気代の高い昼間に家庭に送電することで、電気代の節約に繋がる
  • 家庭用コンセントよりも充電時間が約半分で済むため電気代の節約になる
  • 一般的な蓄電池よりも容量が大きく、停電時に長時間電力を使用できる
  • 補助金が出る場合がある

さらに、太陽光発電とV2H両方を導入するメリットして、

  • 災害時、昼間は太陽光で発電、その電力をV2Hに蓄電するとで長期化する停電時にも対応できる
  • 初期費用の回収の期間を短縮できる

このように、太陽光発電とV2H双方を導入することで、家庭のエネルギー自給率アップにも繋がる他、停電などの災害時にも長期間対応することが可能となります。

太陽光発電を既に導入されている方のなかには、卒FITに向けて蓄電池購入をお考えの方もいるかと思います。この記事を参考に、蓄電池の代わりにV2Hを導入することを考えてみてはいかがでしょうか。

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