太陽光発電を始めるうえで欠かせないのが、「発電量」とのお付き合い。毎日、毎月、毎年と、「発電量」に一喜一憂することになるのかも。
よく言葉としては出てくるけど、実は「発電量」が何かわからない。
今回は、そんな方のために、発電量とはなにかだけに絞ってお届けします。
発電量を知るために、電気の量を知ろう
発電量が何か。その答えは、電気の量です。
しかし、電気の量とは何か。これが難しい。普段私たちが使っている電気は目に見えないので、ドライヤーを使ったからといって、どこかから電気がなくなっているイメージを持っている人はいないでしょう。
そのため、あまり普段から意識しないのが電気の量。2つの質問を比べてみて下さい。
- りんご10個を買ったときとパソコン1台を買ったとき、どちらがお金をたくさん使っていますか?
- テレビを1時間見た時と、ドライヤーを10分使ったとき、どちらが電気をたくさん使っていますか?
お金であれば私たちは常に意識をしているため、最初の質問には、ほとんどの方は答えられると思います。
しかし、2番目の質問には、一瞬戸惑いを見せるはずです。身の回りの電気の量を把握していなければ、なかなか答えられません。
では、電気の量を把握するにはどうしたらいいのでしょうか。お金を把握するときには、「円」という単位があるように、電気の量を把握するときにも、電気の量の単位を使いましょう。
電気の量の単位
電気の量の単位は、「kWh(キロワットアワー)」といいます。
あまり見慣れないかもしれませんが、実は、私たちが電力会社からもらう紙にも、この書き方がされています。
この単位が、お金における「円」と同じです。
先ほどの例だと、テレビを1時間見たときに使用する電気の量が〇〇kWh、ドライヤーを10分使ったときの電気の量が△△kWhということがわかれば、〇〇と△△を比較して、大きいほうがたくさん電気を使っているということになります。
電気の量を把握するためには、kWhを知る!これが重要なポイントです。
電気の量の計算方法
では、そのkWhは、どうやって知ればいいのでしょうか。
これも、お金との比較で考えてみましょう。
りんご10個を買ったときに使うお金は、以下のように計算するはずです。
内容 | 量 | 単位 |
りんご1個あたりの値段 | 100 | 円 / 個 |
買うりんごの個数 | 10 | 個 |
りんご10個買ったときに使うお金 | 1000 | 円 |
りんごが1個100円であれば、10個買ったときは「100×10」で1000円になりますよね。実は、電気の量においても、計算方法は全く同じです。
ドライヤーを10時間使う場合の電気の量を考えてみましょう。
内容 | 量 | 単位 |
ドライヤー1時間あたりの電気の量 | 100 | kW |
ドライヤーを使う時間 | 10 | h |
ドライヤー10時間使ったときの電気の量 | 1000 | kWh |
このように、電気の量の計算も、「〇〇あたりの量」に、「その数」を掛け合わせることで計算できます。
りんごのときは、「1個あたり」でしたが、電気の場合は、「1時間あたり」となります。
ちなみに、「1時間あたり」のように、ある時間あたりの電気のことを「電力」といい、実際に使う時間を掛け合わせた電気の量のことを、「電力量」といいます。
- 電力:1時間あたりの電気の量
- 電力量:使う時間を掛け合わせた電気の量
よく家電製品に書いてあるのは、上の「(消費)電力」になります。
その家電を何時間使ったかを掛け合わせることで、私たちが実際に使用した電気の量=「(消費)電力量」になるわけですね。
電力・時間・電力量の関係は、上の図を見ていただくとわかりやすいかと思います。
太陽光発電の発電量とは、どれだけ電気を発電できたか!
それではついに、太陽光発電の発電量に目を向けましょう。
先ほど「消費」という言葉を使っていたのには、理由があり、電気の発電量の考えは、電気の消費量の考え方と全く同じだからです。
(消費)電力 × 使った時間 = (消費)電力量
(発電)電力 × 発電の時間 = (発電)電力量
(発電)電力の単位は、もちろんkW(キロワット)であり、(発電)電力量の単位は、もちろんkWh(キロワットアワー)です。
結局、発電量というのも、どれだけ電気を発電できたか?を表す電気の量になります。
そして、それを求めるためには、電力×時間をすればいいことがわかりますね。
ただ、ドライヤーのように、常に一定の電力であれば計算は簡単なのですが、太陽光発電の発電電力というものは、一定ではありません。
なぜならば、太陽の強さが時間によってどんどんと変わっていくからです。時間によっても変わりますし、雲など天気の状態によっても変わります。
朝は弱でスタートして、徐々に強さが強くなりながら、夜には消えてしまうドライヤ―があったときに計算がしにくいのと同じ理由です。
上の図をみれば、一目瞭然。
電力量とは、上の図における面積のことなのですが、ドライヤーのように電力が一定の場合は、縦×横をすればわかりますが、太陽光のように、電力が時間によってかわると、簡単には求まりそうにはありません。
ただし、電力が大きければ大きいほど発電量は大きいですし、時間が長ければ長いほど発電量は大きくなります。
電力を大きくする1つの方法は、パネルをたくさんいれることなので、屋根が大きい家のほうが、発電量は大きくなります。
また、夏のほうが日射時間が長いので、発電時間もその分長くなります。
まとめ
太陽光発電の発電量とはなにかをお届けしました。
- 発電量とは、電気の量であり、単位はkWh(キロワットアワー)
- 計算方法は、電力×時間
この2つを是非押さえておきましょう。
この記事は、「【連載企画】太陽光発電が得か損か、シミュレーション開発者が全て解説します」の一部です。今回は、太陽光発電の最も重要なポイントである、発電量に関する記事になります。太陽光発電の発電量に関しての記事はたくさんあります[…]