この記事ではこれからSDGs検定を受ける方に向けて、その概要から勉強方法等を解説していきます。
筆者は2020年2月9日(日)に行われた第2回SDGs検定の合格者です。
まだまだ情報が少ない試験なので、そもそもの概要や勉強方法等、参考になることがあると思います。
そもそもSDGs検定とは?
「SDGs検定」とは、SDGsの普及促進を目的とて出来た検定です。
その目的となっているSDGsとは、持続可能な世界を実現させるために国連が掲げた2030年までに達成すべき国際目標のことです。
最近、街中でスーツ姿の方が胸につけているカラーホイール(下図右下)はSDGsのロゴであり、SDGs達成に賛同する企業も増えています。
SDGs検定は、SDGsの基本的な理解から世界で起こっている課題やその取組に関する幅広い知識の習得を目指す検定です。
SDGs が必要とされてきた背景やなぜSDGs を達成しないといけないのか、そして誰がどのようにSDGs に取り組んでいくのかなどを考えるよいきっかけとなります。
主催は「一般社団法人SDGs推進士業協会」が行っており、弁護士、税理士、公認会計士、司法書士などの士業の方々をメンバーとして構成されています。
一般社団法人SDGs推進士業協会ではSDGs検定開催の他にも、企業への社内研修や講演会の実施なども行っています。
SDGs検定の概要
開催頻度
SDGs検定はまだ2回しか開催されていない、非常に新しい試験です。
第1回は2019年10月20日(日)、第2回は2020年2月9日(日)でしたので、基本的に3か月に1回程度の開催頻度のようです。
第3回SDGs検定は2020年6月21日(日)に予定しておりましたが、新型コロナウイルスの影響で延期が決まり、2020年11月15日(日)の開催予定となりました。
開催場所
第1回・・・東京、大阪
第2回・・・東京、大阪、名古屋、福岡
まだ開催地域は限られているようです。今後ますます受験者が増えれば開催地域もそれにつれて増えていきそうです。
受検者属性
【応募総数/受検者】
第1回・・・195名/159名
第2回・・・371名/320名
【平均年齢(男女比)】
第1回、第2回共に41歳
なお、第2回の最年少受検者は14歳、最高齢受検者は72歳です。
【職業】
会社員が圧倒的に多く、その他会社役員や自営業、個人事業主等が多いようです。
会社全体でSDGsを推進している大企業も多いため、会社から受検を促す動きも想定されます。
試験概要
試験時間:90分間
実施時間:10:30~12:00(第1回、第2回)、集合は10:00
出題方式:マークシート形式
合格水準:100点満点中70点
持ち物:本人確認書類、シャープペンシル、鉛筆、消しゴム
※受験票はありません
合格率・合格者数
第1回・・・38名(24%)
第2回・・・70名(22%)
これだけ見ると、かなりの狭き門と感じるかもしれませんが、合格率自体を気にする必要は全くありません。
なぜなら、合格水準は受験者の何割といったものではなく、70点とれば合格するからです。
まだ新しい検定なだけに、そこまでしっかり勉強した人の数自体が少ないように感じます。
申込方法
申込方法はPeatixというチケット販売サイト・アプリから申し込みます。なお、申込窓口はPeatixのみです。
受検料は税込み5,500円です。
申込定数が決まっており、先着順なので、希望の方は注意しましょう。
なお第2回(2020年2月9日)の申込登録期間は2019年11月29日〜2020年1月18日だったのでした。
SDGs検定の難易度は?
ここまで検定の概要について解説してきましたが、ずばり難易度はというと、筆者個人としては難しく感じました。
その理由はまだ新しい検定であるということに加えて、出題問題は持ち帰りが不可のため過去問題が出回らず、検定の対策がしずらいためです。
中には細かい暗記が必要なものや、逆に知識では対応できない応用力を試す問題も見られました。
大事なことは、落としてはいけない問題をいかに間違えないかということです。
つまり、SDGsに関する基本的な知識に関しては大まかにでなはく、数字や文言をしっかり暗記することが必要です。
応用力を問う問題に関しては、参考本や資料の内容が何を意図しているかの本質を理解しておくことで対応できます。
SDGs検定の出題問題について
前項目で対策しずらい検定と記載しましたが、出題の範囲は予め掲載されています(以下の通り)。
①SDGsとは
②SDGs採択までの歴史や現在の動向
③SDGsの内容(17のゴールや169のターゲットなどに関する事項)
④世界の課題を知る
⑤環境問題のみならず、世界の貧困・飢餓・福祉などの課題をSDGsの17のゴールと関連させて出題
⑥誰がSDGsに取り組むのか
⑦SDGsのゴールを誰がどのように取り組んでいくのかについて、SDGsの基本的理解をしたうえで、応用力を試す出題
全問マークシート問題ですが、1つ1つの選択肢も文が長いものや、5択の問題も多く、ボリュームは多いです。
感覚としては基礎問題60%、応用40%程度です。
丁寧に問題を読んでいたこともありますが、筆者は90分時間ギリギリまでかかってしまったため、スピーディに読み進めるのがおススメです。
マークシートの回答数は50個ですが、問題数は50個ではなく、1問に対して回答が2個以上のものも複数あります。
また配点も問題によって異なるため、いかに効率よく問題に取り組めるかも重要です。
ここでちょっとしたテクニックを伝授
さきほど問題文や選択肢の文が長く、ボリュームがあると記載しましたが、これを逆手にとって利用できる場面がいくつかあります。
つまり、問題や選択肢が他の答えのヒントとなっているものがあり、論理的に考えれば正解にたどり着けるものがあったということです。
意外とその手段を用いて解いている方は少ないんじゃないかと、検定試験中に思いました。
もちろんそのヒント自体も問題の一部となっていますので100%その文言が正しいというわけではないですが、例えば選択肢が5つあって、その中の4つの選択肢で同じことを言っているものがあればその文言が正しい確率は高いですよね。
回によって出題方法を変えている可能性はありますが、素早く問題を読みながら他の答えのヒントになるものがないかを探しながら解くと生かせるところがあるかもしれません。
SDGs検定の勉強方法・参考書
参考資料① | 我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ(仮訳) | 無料 |
参考資料② | 17の目標ごとの「事実と数字(Facts and Figures)」 | 無料 |
参考図書① | SDGsビジネス戦略 企業と社会が共発展を遂げるための指南書 | 2,420円 |
参考図書② | SDGsの基礎 SDGsに取り組む全ての方に向けた必読書 | 1,980円 |
参考図書③ | 2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望 | 1,650円 |
一般社団法人SDGs推進士業協会から示されている、SDGs検定を受検するうえでの参考資料・参考図書は上図の通りです。
筆者については、参考資料①・参考資料②・参考図書③のみでの学習でした。参考図書③はたまたま読んでいた本が参考図書として出されていただけですが…。
参考図書①・参考図書②は読んでいないためコメントできませんが、参考図書③についてはSDGsの全体的概要とこれからの未来について楽しく学べたので、おススメです。割とサクサク読めました。
そしてSDGs検定を受けた者として述べると、試験対策上参考資料①・参考資料②が非常に重要です。
これらは国連連合広報センターのホームページにて、国連本部の掲載されている資料を和訳したものが無料で公開されています。
結構量がありますが、日本で暮らしていると想像もできないような世界の実情が具体的数字をもって知ることもできるので、非常に勉強にもなります。
面倒に感じるかもしれませんが、結果これら資料の数字や文言を暗記したほうがいいです。それは細かい数字や、17の目標の順番なども含めてということです。
例えば、「4人に1人が~」という文言があったとすると、これに対して「①6人に1人、②8人に1人、③2人に1人」のようなレベルの問題が出されました。
おすすめな手順としては、参考図書③で大まかにSDGsの概要と背景を掴む→参考資料①と参考資料②で横断的に内容を把握しながら文言や数字を暗記するといったところでしょうか。
合格者限定特典
合格発表は試験日から2か月半後くらいにメールで通知されます。
マークシート回答ですが、意外と期間が空きます。
そのメールには合格証と一緒に、合格認定者限定の特典が記載されていました。
それは「SDGs検定のロゴの使用権」です。
上図がSDGs検定のロゴです。
このロゴは検定合格者のみが利用できますが、協会問い合わせたところ法人として利用しても良いそうです。
使用際はガイドラインをしっかり守るようしましょう。
検定のための検定ではない
ここまでSDGs検定の概要や対策などについて説明してきましたが、あくまでSDGs検定は試験に合格したことを証明するために存在しているわけではありません。
SDGsの本質を理解し、SDGsの普及とそれを達成するための行動を個々人が実行することがなにより重要です。
食品ロスを削減するために食べ残さないようにする、海のゴミ拾いに参加する等もすべてSDGs達成に繋がる行動です。
そんな中、弊社では住宅用太陽光発電の導入を行っています。
太陽光発電はSDGs目標の「7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに」や「13. 気候変動に具体的な対策を」等に繋がる非常に具体的な解決策です。
また、太陽光発電はSDGs達成に寄与するだけでなく、個人の経済性にも大きなメリットをもたらします。
経済産業省によると、住宅用太陽光発電の導入件数は2018年末時点で約246万件を突破し、2008年の約45万件と比較すると10年間で5倍超と急速に伸びています。太陽光発電は、節約や投資などの経済面においても、環境面においても非常に[…]
まずはシミュレーションなどを通して、ご自身の家庭の場合の想定費用や収益を算出してみてはいかがでしょうか。