太陽光パネルには大きく分けてシリコン系・化合物系・有機系の三種類がありますが、住宅用で最も普及しているのはシリコン系です。
そのため検討する際はシリコン系のパネルを目にすることが最も多いですが、その中でも「単結晶」と「多結晶」という種類があり、その違いがわからず迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、シリコン系太陽光パネルにおける「単結晶」と「多結晶」の違いを解説していきます。
「単結晶」と「多結晶」は何が違う?
シリコン系太陽光パネルはこうしてできる!
太陽光パネルは製造されるまでに様々な工程を経て出来上がります。
単結晶か多結晶は、シリコンでできているという点は同じですが、どのように製造されるかに違いがあります。
シリコンの原料はケイ石と呼ばれ、ケイ素(Si=シリコン)が含まれます。
そして、このケイ石を加工し、溶かしてから冷ますことでインゴットを作ります。
そしてこれを切り出したものをウェーハと言い、太陽光パネルを構成するセルのもととなります。
一方、単結晶のインゴットを切り出していくと、切断くずができてしまいます。
これらの切断くずを溶かして鋳型に入れて固めたものが多結晶シリコンです。
このような工程を踏んでいるため、単結晶は多結晶よりも純度が高く、シリコンの原資が規則正しく並んでできていきます。
単結晶太陽光パネルの特徴
単結晶の太陽光パネルは単結晶インゴットを切り出したセルで構成されており、先述の通り、シリコンの純度が高いのが特徴です。
太陽光パネルが光を受けた際に、最終的な発電に繋がる電子が再結合して消滅するまでの平均時間をライフタイムと言います。
単結晶は転位密度が低いため、電子が消滅しにく、ライフタイムが長いため、変換効率が高いのが特徴です。
また単結晶の太陽光パネルは単一の結晶からできているため、結晶構造を原因とするロスが少ないことも魅力的です。
さらには曇りや朝晩などの低日照時間帯においても多結晶よりも優れています。
つまり、理想的な条件ではなくとも、定格出力に近い電力を発電できることが期待できます。
シリコン原子が規則正しく並んでいるため、パネルの表面がきれいで、黒っぽい色をしています。
好みにもよりますが、屋根の色に合いやすいシックな感じが魅力的です。
しかし、製造工程を増やして作られるため多結晶に比べるとコストが高くなりがちです。
多結晶太陽光パネルの特徴
多結晶太陽光パネルは、複数のシリコン片がブレンドされたポリシリコンから作られています。
製造時に原料をほとんど捨てないため、多結晶の製造プロセスは無駄が少なくなります。
そのため、単結晶と比較すると低コストになりやすい点が特徴です。
一方、複数の結晶を集めて作られているため、各結晶内は規則性が保たれていても、セルの中の結晶同士の規則性はバラバラです。
電子は結晶配列が規則的である方が移動しやすいため、多結晶の場合は変換効率が単結晶に比べると落ちてしまいます。
多結晶の太陽光パネルは青っぽい色をしており、シリコンの精度が単結晶よりも高くないため、まだら模様になっています。
kW単価・W単価で考える
ここまで単結晶・多結晶の違いを説明をしてきましたが、多くの方にとって大事なのが「どれくらいコストを払って、どのくらい発電によるメリットが受けられるのか」ということでしょう。
太陽光発電システムを比較する際の情報は多すぎます。
また単結晶と多結晶では変換効率やコストで良し悪しがそれぞれあるため、結局どちらが良いのかわからなくなってしまう場合もあります。
そこでまず比較したいのが「kW単価(W単価)」です。
kW単価は設置容量1kW(W単価であれば1Wあたり)に対する費用を表しています。
すべてを網羅的に比較できるものではありませんが、性能とコストを簡単に比較しやすいです。
同じパネルでも販売店によって価格は違う
各パネルの比較はkW単価などを用いて目安を把握することが大事ですが、もう一つ注意すべきことがあります。
それは同じパネルでも販売店によって価格が異なることです。
太陽光発電で損しないためには初期費用を下げることが重要です。
お得に設置したい場合、一括見積サイトにて複数社見積りをとって検討することが最も早く、やり取りも難しいものではありません。
数ある一括見積サイトの中でも、最低限トップ3であるソーラーパートナーズ【住宅用】、タイナビ、グリエネは全て見積り依頼をしましょう。
販売店の違いだけで数十万円は簡単に変わりますので、手間に対しての価値が非常に高い項目です。
できるだけ多くの情報を仕入れて、素晴らしい太陽光ライフにしましょう!